終活のスタートは心身健康な時にこそ

【はじめに】

 コロナ禍も表向きは沈静化の方向で進む中、
50代を中心にシニア世代に差し掛かった層からの
「終活事始め」に関する相談が増加傾向にあります。

 終活とひと口で行っても
人それぞれですし、優先順位も皆異なります。

 今日は終活の開始時期はいつが適当なのか?
この話題について紹介したいと思います。

 

 

【終活の内容はひとそれぞれ】

 終活の基本は、自分自身で行うものと考えましょう。
特におひとり様の場合は他に選択肢はありません。

 何から手を付けるか?
このブログ内でも何度も紹介していますが、
終活の内容は多岐にわたります。

 個人の置かれた事情によっても
始めるべき終活の内容には差異が生じます。

 有り余る室内の不要家財の整理なのか?
 免許返納と愛車の処分なのか?
 複数ある金融機関の口座の取りまとめなのか?
 放置したままの郷里の実家や墓の始末なのか?
 相続財産の目録作成なのか?
 ズバリ、遺言書の用意なのか?

 参考書や終活の先輩等の行ってきた順番や
内容が貴方にも合致するとは限りません。

 何をまずやるべきかを決めるのは、貴方自身です。

 

【終活の開始~身体の問題】

 当然ですが、
心身ともに健康な状態で行動を起こすことです。

 まずは行動の自由と適正な判断力が確保されていること、
この段階にあるうちに終活の行動を始めることが大切です。

 言い換えれば、
外出が困難な状態になってからでは
満足のいく終活の準備は出来ないと考えましょう。

 昨日まで健康体でも
今日も健康体とは言えません。

 突発的な事故や病気によって
身体のどこかに支障をきたすようになれば
当初予定していた終活の為の行動が出来なくなる。

 このようなケースはごく当たり前に起こるのです。

 その為に、
郷里にある実家や墓の検分が出来なくなった。
自由に役所や銀行の窓口に出向けなくなった。

 せっかくいろいろと考えを巡らして用意した
満足のいく終活プランがあったとしても
それは自由に行動出来る前提での計画だったはずです。

 もしそうでなくなった場合、
その障害に関係なく自分自身で出来る終活と
誰かの援助が必要なもの、誰かに託さなければ出来ないもの等、
大幅な見直しや軌道修正を強いられることもあるのです。

 このように終活のプランは
一度決めたら迅速に行動に移ることも必要になってきます。
時間は十分あったのに何かと理由を付けて後回しにした。
その結果、プランの多くを実行できなくなり
大幅な計画の修正、または全面撤回になる…

 完成したプランを見直して、
どうしても自分だけでは出来ないものがあれば
それについての次善の策を考えることも必要になってきます。

 自分がどういう状況にあるかによって
終活のプライオリティも当然変化します。

 その時になって慌てることなく、
事前に想定しておくことで
最小限の時間での修正が可能です。

 その為にも、自分自身で行動出来るうちに、
出来ることは片付けておきたいものです。

 

【終活の開始~心の問題】

 前項では身体面での問題を採り上げましたが、
もっと厄介なのは「心の問題」となります。

 日々の仕事面での悩みや
家庭内での問題で神経をすり減らし、
その結果、そううつ状態になってしまったり、
終活の準備をなんとなく後回しにし続けた結果、
もの忘れの症状が出てきたり、更に認知症発症となれば
まともな終活の行動自体が難しくなります。

 この場合、
いくら身体が健全であっても
肝心の行動を起こすことを決める心に支障があっては
終活は何時まで経っても進められません。

 そのまま、
何の備えもないまま最期を迎えては
自分にも悔いが残るでしょうし
周囲の関係者にも多大な負荷をかけることになります。

 

 もう一つの心の問題はより厄介かもしれません。
人間、歳を重ねると行動が遅く、億劫になります。
さらにやる気というか、意思も弱くなってきます。

「後は、子供に任せた。」
「もうこの歳で色々動きたくない。」
「今更始めても間に合わんだろうし…」

等の後ろ向きの気持ちになると
一気に終活自体への関心や一種の責任感まで喪失していきます。

 

 特におひとり様の場合は
近くに背中を押してくれる親族がいません。
さらに放置しても親族に迷惑をかける訳でもありません。
(近隣の方や行政には多大な迷惑をかけますが)

 自分の意思だけが頼りと言えるのです。

 

 終活とは何をすればいいか? 
これも大切ですが、

 終活とはいつから始めるべきか? 
これも同じくらいに大切なことなのです。

 

 今50代以上の貴方は、
この意識だけは常に持っていて欲しいものです。

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この記事の著者

寺田 淳
寺田 淳寺田淳行政書士事務所 代表
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
フェイスブックページ「50歳からの人生設計相談室」
ブログ「新・先憂後楽」
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