シニアの生活習慣の見直しについて

 

【はじめに】

 仕事柄50代、60代の方と接することが多いのですが
「今の段階で生きる上で大切な事とは何と考えていますか?」
と言った問いかけに対する答えで

おカネ、時間、健康 

概ねこの3つが最上位を占めていました。

おカネがあればやりたいことが出来ます、欲しいものが買えます。
時間があれば遊びにしても学びにしてもやりたいことにチャレンジできます。

でもどちらの場合も、自身が健康であればという前提付きではないでしょうか?

今回は終活の「さしすせそ」の中から
「せ」に当てはまる「生活」「習慣」に関する話題です。

 

 

【自身の体調管理】

 貴方の周りにこんな人はいませんか?

「最近コロナ禍で自宅にこもりきりだったせいか
足腰が衰えたようでね、部屋の間の段差や階段の昇り降りが不安で。」

 と言いながら、バリアフリーに取り組むわけでも無く、
外出時に杖などを使うこともない。
ましてや筋力アップのトレーニングは全く無関心。

 毎回顔を会わせる度に、上記のセリフを繰り返すだけ。

 もしかしたらあなた自身に心当たりがありますか?

 他にも
「膝が痛い、腰が痛い」
「食欲がない、味がわからない」
「耳が遠くなった、目がかすむ」

常日頃から体調不良を口にしながら何も手を打たない。

 最初のうちはこの手の話を聞くと
「格安で玄関先に設置出来るスロープが通販で紹介されている。」
「評判のいいバリアフリーの業者のサイトをメールで送ったから。」

 等の有益と思われる情報を提供しても

「いや、まだ問合せしていない、今度聞くつもりだから。」
「もう少し様子を見てみるよ。」

 あるいは
「その手の病気は早めに医者に行かないと」
「定期健診は受けているのか?」等と持ち掛けても

「でも、今のようなコロナの時期に病院行くのはどうも」
「どうも、医者は何でも病気にしたがる」
「いや、実はまだそれほどではないんだ。」

等など、行かない理由を並べ立てて現状打破を図りません。

 そのくせ友人との集まりの際には
開始早々に自身の健康不安を口にするのです。

 当初は心配して上記のようなアドバイスをしていても
同じ愚痴を繰り返すだけでは、ほどなくそういった働きかけを
放棄します、言ってもきかないのであれば当然の結末です。

 本当に大したことのない状態ならばまだしも、
結局口にしていた不安が現実化するとどうなるか?

 友人からの話ですが、
このタイプの年上の友人がいたそうで、
年齢から相応に足腰が弱っており
日頃から段差や階段に不安を覚えていたそうです。

 ですがその友人からの足腰の筋力アップのストレッチや
万が一の為に歩行時用の杖も紹介されたものの
何ひとつ実行に移していなかったそうで、
その後本当に外出時に階段から転落してしまい、
その結果、今では車いすの生活になっているとのことでした。

 それでもこの方の口癖は変わらなかったようで
見舞いにも行った際にも
「あの階段を渡るべきじゃなかったなあ~」
「たまたま雨上がりで濡れてさえいなけりゃ」
等の愚痴しか口にせず、友人は閉口したそうです。

 同じ様に私の知り合いの中にも
暴飲暴食を自覚もし、医者から指摘され続けているにも関わらず
生活習慣を改めることが出来ないまま過ごした結果、
当然のように糖尿病を発症し、食に対して厳しい制限と
365日24時間続く自己体調管理を強いられる生活となった方がいます。

 「明日から断食道場で鍛え直すから」
 「糖質だけ制限すればたぶん大丈夫」
 「お酒も蒸留酒に替えたから」

など等、都合のいい解釈で自分なりの管理をしていた?
ようですが結果は当然の結果となった訳です。

 

 60代ともなれば全ての行動には自己責任がついて回ります。

 特に健康に関しては実際の症状を知っているのは本人だけです。
自分以外に事態を好転させることは出来ないのです。

 既に早々と楽隠居を決め込んでいるような人ならまだしも
定年延長や再雇用などでまだまだ家族を養わなければいけない、
あるいは念願かなって起業・独立を果たし個人事業主となった場合
生活習慣の管理と責任は一に自分自身で担うしかないのです。

 立ち仕事が主である方が足腰を痛めたら?
Webビジネスを始めた方が視力を損ねたら?
私のような「しゃべること」が仕事の方が声を失ったら?

 健康を失うだけでなく、生活基盤を失うことに直結です。

 

 いくらお金があっても
健康でなければ有効に活かせるような使い方は出来ません。

 いくら自由な時間があっても
病床にいるだけの生活ではその時間が苦痛の元になります。

 シニアになってから病気になった方が多く口にするのが

 おカネがないから高額な治療は受けられない
 時間がなくて医者に行く暇なんてない

 この2つの言い訳です。

 同じシニア世代の言葉としてご容赦願いたいですが、
要は「病気になるからおカネや時間の問題に悩む」訳で
「病気にならない、重症化しないような」生活習慣
身につけておけばよかったのです。

 あるいはより難しいことですが、
自分なりに一定の年齢に達したら生活習慣の棚卸しをするのです。

 50才になったら、起業を目指すことを決心したら
何かのきっかけを利用して週3回の飲酒を1回に、
肉食中心を魚介類を意識的に増やす、
おやつの習慣を止める、または健康的な自然食品に切替える。
等の自己管理のレベルを切り替えることも必要です。

 同時に足腰に衰えを感じたら
積極的に健康維持の為の情報を収集し
自分に合った内容について精査して実践する。
あるいは行きつけの整形外科などがありましたら
自分にふさわしい運動やストレッチの方法を教えてもらう。

 こういった自分の行動でしか
自分の生活を維持・改善することは出来ないのです。

 

 

【仕事選びと共通する問題点】

 問題があることは自覚しているのに
なぜか具体的な行動を起こすことを躊躇してしまう。

 実は以前から何度も紹介している
第二の仕事選びと共通する行動パターンなのです。

 もうお分かりと思いますが、
共通するのは「現実逃避と問題の先送り思考」
による「根拠なき楽観論からくる優柔不断」です。

 医者の診断を受けたがらない方の多くは
現実の病名を知ることを恐れます。
もしかしたら最悪の病名を告知されるのでは?
完治不能を言われたら?
他にも疾病があると言われたら?
大好きな酒を止めろと言われたら?

など等、今の生活を阻害?するような事態を
受け入れがたいという考えが根底にあるようです。

 そのうち治るだろう、
 自分が注意していれば大丈夫

その結果、上記のような根拠のない楽観論に固執します。

 

 転職・再就職、または起業・開業と言った
第二の仕事探しの場合でも似たような傾向を感じることがあります。

「いい条件なんです、でも・・・」
「今は業績はいいです、でも・・・」

 正直な話、ローリスクでハイリターンに固執してます。
さらにはローであるはずのリスクにも拘るのです。

 現実問題として、
ハイリターンを望めば何らかのリスクはついて回ります。

 給与や賞与が業界ではトップ、
 でも土日は営業の勤務形態

 経営は安定、福利も充実、
 でも給与水準は水準以下

 だからもう少し待てば、理想の仕事に出会える??

 

 やはり事前に今の自分にとって譲れない最優先事項は何か、
条件の順位付けが出来ていない方に見られる特徴です。

 豊富な人生経験を重ねているはずの60代、
現状で足踏みしている時間は、あまり残されていません。

 ごく単純にまとめると

 20代30代には健康と時間はあるがおカネがない
 40代以上の中堅にはおカネと健康はあっても時間がない
 そしてシニア世代にはお金も時間もあるが健康がない

 若いうちはおカネが十分でなくとも人生を楽しむ方法は
真剣に探せば見つかるものです。

 社会の中堅となれば十分な自由時間が取れない、
とはいえ短い時間でもリフレッシュできるレジャーや趣味を
持っている方は数多く存在しています。

 ですが、
損なわれた健康をカバーするものはどうでしょうか?
特にシニア世代には遺された時間は限りあるものです。
その貴重な時間を十分満喫するためにはどうしたらいいでしょうか?

 いかにおカネと時間と健康の3つのバランスを維持したままで
充実したシニア時代を迎えられるか?

 出来るならば30代の頃から意識して欲しいものです。

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この記事の著者

寺田 淳
寺田 淳寺田淳行政書士事務所 代表
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
フェイスブックページ「50歳からの人生設計相談室」
ブログ「新・先憂後楽」
コラム「マイベストプロ東京」
行政書士の寺田淳がマイベストプロ東京で相談受付中

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