年代別のお酒との付き合い方について
今回はかなり砕けた話です。
終活のさしすせその「し」ではなく、
「仕事とお酒」がテーマです。
サラリーマンを始め、社会人になって仕事に就いた場合、
大なり小なりお酒の場は避けられないものになりますし、
その後の長い付き合いの場ともなります。
今回は偶然の一致で思い出すことになった
仕事とお酒に関係したエピソードを紹介します。
偶然の一致?
偶然ながら入社直後の新人の時に
ある上司からもらった言葉と、
10年以上たって異動先の街にあったバーのマスターに
言われたこと、これが同じ意味合いを持つ言葉でした。
客として出向く側と、
その客を迎える側、
以下にその内容を紹介したいと思います。
20代のうちは
上司から言われたのは
「20代のうちは、誰に飲みに連れて行ってもらうかが大切」でした。
まだ20代半ばの部下に割り勘で誘うような上司、
会計時になって割り勘を強いるような上司とは距離を置きなさい。
もう一つ、
酒を飲みながら会社の愚痴やつまらん人生訓を長々としゃべる上司も同じ。
とはいえ、
誘われる側の若手にもそれなりの責任はあることも忘れないように。
類は友を呼ぶというようにそういう上司は自分と同じ感覚を持つと見做した
部下にしか声はかけないし、二度三度と誘わない。
誰に誘われるかは、自分自身の写し鏡
と思って考えなさいと。
次に10数年後に出会ったバーのマスターからは、
「酒場のマナーを知らないような上司のお供で来る部下は、
決してマナーや作法を身に着けることはありません。
そもそも立ち居振る舞いがその上司と同じです。
当然、こちらもそれなりの対応をするだけですね。」
理想と現実が違うことは当時の私でも理解はしていました、
そうは言っても、同じ職場で働く身では、それも下っ端の身で
上司をえり好みするのは不可能に近いです。
ただ、一次会の宴会は普通居酒屋の形式が殆どです。
ここの場では和気あいあいで済ませて、二次会はフェードアウト。
あるいは次は同期同士で行くのでと、婉曲に避けることは出来ました。
なかなか冒頭に紹介したような上司が周囲にいなかったら?
個人の性格にもよりますが、自腹で店探しをすることです。
少し背伸びしたくなるような店を自分の判断で探すことで
当たり外れを経験出来ますし、その成功談や失敗談を語れるような
上司に巡り会えれば、距離を縮めることも容易です。
自分の選んだ店に先に上司を招待する。
これでも20代なら大きな経験になりますし、
そこに経験豊富な上司等からのアドバイスがあれば
より奥行きのあるお酒との付き合いが始まります。
30、40代になれば
今度は
「酒場に誰を連れていくかが問われるようになる。」です。
この年代になれば、
営業であれば担当の得意先を持ち、担当者とのコミュニケーションも
確立されているはずです。
最低でも自分と同格の相手、
本当は得意先の意思決定権者、部門の責任者クラスを誘えれば文句なし。
それが、2回3回と続けられれば、周囲が君を見る目に変化が生じると。
マスターからは
「40代前後の方は得意先は無論、職場の部下も
連れてきます。中には女性社員ばかりという方もね。
どんな部下を連れてきたかも気にしますが、
なんと言っても年上の、しかも話しぶりから社外の得意先の
方をお連れしたと感じた場合は、気配り心配り目配りを
一段ギアを上げて彼が恥をかかないように協力を惜しみません。」
30代40代になれば、それなりの役職にも就いているでしょう。
社外の仕事関係の方を誘うのであれば、会社の看板を意識すべきです。
「こんな店に連れてきたとは、軽くみられたものだ。」
「彼のような立場でこの程度の店しか紹介できないのか?」
これでは、会社のメンツも潰しかねません。
「肩ひじ張らず、膝を突き合わせて呑むのが親密さの表れ」
という考えもあるとは思いますが、毎回これではどうでしょう?
「見直したぞ、こういう店も知っているのか!」
といった評価はこの年代には必須のものと私は考えます。
非日常の一面を垣間見せる事、これもこの年代には欠かせません。
言うまでもないことですが、
こういう店を持てるかどうかは
20代の時の経験の差が大きくモノを言います。
そして、50代以上になったら
最後の言葉は奇しくも全く同じ言葉でした。
「誰と飲みに来るかが重要だ」
マスターからの言葉では、
「50代ともなれば、先輩後輩でもなく、利害関係の付き合いでもない
本当に気の置けない友人知人と連れ立って飲みに来られる方こそ
いい人生を送ってきたと確信出来ます。」
「生臭い話をすることはなく、愚痴の言い合いや
無意味な自慢合戦のない、まったりとした空気感を漂わせる。
そういう方をお見受けすると、こちらも身が引き締まります。」
「そういう場に当店を選んで頂けたことは幸甚に堪えません。」
上司からも同様に、
「打算や思惑のない話が出来る相手を一人でいいから見つけることだ。」
「そういう繋がりは必ずその後の人生にいい影響を及ぼす。」
「まあ、それが出来るのは若い頃からの研鑽によるんだがね…」
と言われました。
わが身を顧みて
さて、我が身を振り返ってみて
20代、30代、40代、
遺憾ながらあんまり思い当たる節がありません。
思い出したくないというのが本音と言えるでしょう。
ですが、50代以降は自信があります。
既にお互い仕事を離れた後も繋がりを続けている得意先の方々、
元の会社での繋がりがより深まったような先輩でも後輩でもない「友人」
おかげさまで人運?とでもいうのでしょうか
人との出会いに関しては恵まれた人生を送ってきたと思います。
正直な話、
最初に20代の新人の頃に上司から言われたときには
全くピンとこなかった言葉でした。
ですが10年以上経過した後に
マスターに言われたときには、
自然と心身に染み入る箴言となっていました。
たかが酒、たかが酒場、
ですが、されどそこに人生あり、です。
貴方は、どんな酒との付き合いを、
どんな方と連れ立って酒を共にしていますか?
この記事の著者
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東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。
主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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