おひとり様の貴方を支えます!地域包括支援センターを知ってますか?

【はじめに】

 おひとり様の終活の中には
自分だけで行わなくてもいいジャンルがあります。

 自分が暮らす地域との接点を確保しておくことは、
存命中も、死後も重要な課題です。

 今は心身共に健康でも、
今後肉体的、精神的に支障を生じてきた場合に、
貴方は頼れる先を即答出来るでしょうか?

 近隣に頼れる存在がないおひとり様にとっては、
地域の公的支援について知っておくことは
終活の中でも大きな意味を持ちます。

 終活の「せ」に含まれる「生活支援」には、
各自治体が運営する公的サービスがあります。

 支援、という見方をすれば終活の「し」とも解釈できるものですが、
今回はこの中から「地域包括支援センターによる生活支援」を採り上げました。

 

【地域包括支援センターについて】

 まず、地域包括支援センターとはどういうものかを説明します。

地域の高齢者の総合相談、
権利擁護や地域の支援体制作り、
介護予防の必要な援助などを行い、
高齢者の保健医療の向上と福祉の増進を
包括的に支援することを目的としたもの

と定義されています。

表現は難しいものですが、意味合いは十分理解出来るものと思います。

 組織の構成をごく簡単にまとめますと、
「ケアマネージャー、社会福祉士、保健師等」から成り、
チームとしてのアプローチを図るものとなっています。

 

主な業務

 次に、主な取扱業務を紹介します。

1)総合支援業務

  住民からの各種の相談を受け付け、制度横断的な支援の実施を図るものです。

  ここにある「制度横断的」とは、
 介護サービス・ボランティア・ヘルスサービス、
 さらに成年後見制度・地域権利擁護・民生委員・医療サービス・虐待防止・
 介護相談員等を指し、行政機関、保健所、医療機関、児童相談所等、
 個々の事情に応じて必要と思われるサービスに繋ぐこととなります。

2)権利擁護業務

  代表的な業務として、
 成年後見制度の活用促進、高齢者虐待への対応があります。

3)介護予防ケアマネジメント業務

  二次予防事業対象者(※旧特定高齢者)に対する
 介護予防ケアプランの作成等を行います。
 ※特定高齢者とは、65歳以上の高齢者で
  現在は自立して暮らしているが、
  将来的に要支援・要介護になる可能性のある人をいいます。
  これは健康診断などをもとに、市区町村が選定し、
  介護予防ケアマネージメントが実施されることになります。

  なお、この呼称は、平成22年(2010)8月から
 「二次予防事業対象者」などの呼称に変更されています。

4)包括的・継続的ケアマネジメント支援業務

  これは「地域ケア会議」等を通じた
 自立支援型ケアマネジメントの支援業務で、
 ケアマネージャーへの日常的個別指導や相談、
 支援困難事例などへの指導や助言を行うものです。

 

支援センターの設置状況

 支援センターの設置は、各市町村によって実施されています。
2021年4月末現在、全国で5,351か所に設置されています。

 これにサブセンター等の支所を加えると、7,386か所となります。

 ちなみに私の暮らす品川区には、
都のホームページでは23拠点が設置されていました。

 詳しい制度や内容は非常に多岐にわたっており、
ここですべてを紹介するのは難しいので、
あくまでもダイジェスト版として紹介しました。

 より詳しい内容を知りたい方の為に、
厚労省の当該ページにリンクを貼りましたので、こちらからご覧下さい。

 地域包括支援センターの拠点数

 厚労省ホームページ

 

【終わりに】

 今まで業務の関係で複数の包括支援センターに出向き、
いろいろと活動実態等をお聞きしてきましたが、
何か所からは(意外に)認知度が高くないのが課題です
といった声が出ました。

 特におひとり様の高齢者はインターネットとは無縁の方が多く
さらに用事がなければ外出自体あまりしないといった例が多く、
なかなか市区町村役場まで足を運んでもらえてないようです。

 本来最もこの手の支援が必要なはずの世代に
いかに正確に迅速に伝えることが出来るか?

 もう一つは存在を認知していても自分から出向かないケースです。
これは高齢者の中に「世間に、人様に迷惑をかけてはいけない。」
「自分の事は自分でする、しなくてはいけない。」といった
考えが強く残っていることから行動に移せないようです。

 

 家族がいる場合でしたら子や孫の世代がこの手の情報を入手し、
内容を理解したうえで高齢の親に相談を持ち掛けてはどうでしょうか?

 遠隔地に別居であってもネットから当該自治体のHPにアクセスすれば
一定の情報は確実に手に入りますし、直接電話で相談してもいいでしょう。

 情報だけは子の方で揃えて、その内容を老親に伝えるだけでも
ハードルはかなり低くなると思います。

 せっかく用意されている公的支援、
利用出来るならばどんどん利用、活用して欲しいものですね。

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この記事の著者

寺田 淳
寺田 淳寺田淳行政書士事務所 代表
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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