高齢者の相談、悩み

はじめに

 人間である以上、何歳であっても悩みや相談事はつきものです。
若いころには若い時だけの、高齢になれば高齢者特有の悩みを抱え、
相談相手も年齢や男女別、仕事や職場の環境によって異なってきます。

 ここでは、やはり高齢者世代に焦点を当てて
この手の問題について紹介していきたいと思います。

 

高齢者から聞く相談や悩み

 あくまでも私独自の分析ですが、
概ね以下の7項目に分類できると考えました。

① 生計の保証
 年金受給に関することや、生活保護に関する相談です。

② 医療関連
 医療保険の是非や、医療体制への悩み等です。

③ 介護
 介護保険や介護施設に関する悩みや相談です。

④ 住居
 賃貸、持ち家等の終の棲家の問題に加えて、
 バリアフリー化の問題や自宅介護に関する不安や悩み等です。

⑤ 仕事
 再就職、起業、パート等、「終の仕事」の選択の悩みです。

⑥ 社会参加 
 町内会、サークル、ボランティア、生涯学習等、
 孤立・孤独への対処としての社会との接点の確保、
 近隣との交流を確保したいといった相談です。

⑦ 終活
 そして最後は、やはりこの括りです。
 成年後見、見守り契約、遺言、相続、遺贈といった問題です。

 悩みや問題とは、裏を返せば
全てが「QOL」=クオリティオブライフ
に直結する課題でもあります。

 いかにこの基準値を維持・継続していくかが
共通する悩みであり、相談案件と言えます。

 

 

相談や悩みは千差万別

 悩みの本質が先の7項目のうちどれに当たるかも
重要ですが、更により注意すべきこととして、
個々の抱える課題は千差万別であるということ。
これを常に意識しておくことが何より重要です。

 70歳を過ぎても心身ともに健康な方もいれば、
外見上は健康そのものに見えても持病に苦しんでいる方もいます。

 高齢であっても社会活動への参加に意欲的な方もいれば、
一人の時間を求める方もいます。

 相談時の見た目、実年齢、話し方、声のトーンなどで
勝手なイメージ(先入観・思い込み)を持って臨むことは
非常に危険なことなのです。

 

 

シニアでも情熱はある?!

 70代でも非常にアクティブな人生を目指す方は
少なくありませんでした。

 ある70代後半の方は友人と共同で、
同世代の高齢者が気軽に立ち寄れるようなカフェを
立ち上げた方もいました。

 同じく70代でしたが、
自分達の青春時代が重なる昭和の歌謡曲史のサイトを
ネット上で立ち上げたいというマニアックな趣味の方もいました。

 定年退職から10年、15年、
悠々自適、気楽な隠居生活で余生を過ごしたい。
と言った考えを全ての高齢者が持っていることはありません。

 これも実際の相談例から思い知らされた事実でした。

 こういったアクティブシニアの方々に共通するのは
「人生の最終コーナーなんだから、好きなことを試したい」
「最後は自分のわがままを通したい」
といったポジティブな想いを持っているという点でした。

 声が小さく、訥弁でも
熱い想いを秘めていることが伝わってくる方。

 暇つぶしを兼ねての起業と言いながら、
40代以上に緻密に慎重な計画を既に持ち合わせている、
にもかかわらず、更なるアドバイスを求めに相談にみえた方。

 シニア=安定=保守といったイメージは
勝手に外野席の面々が作り出しているだけなのです。

 60代の私自身が、
背筋の伸びる思いをさせられた方が何名いたことか…

 まだまだ修行が足りません!

 

 

問題によって異なる対応

 とはいえ、当然のことながら
相談内容は上記のような前向きなものばかりではありません。

 現在進行形で遭遇している問題や、
近い将来必ず遭遇するであろう問題への対処に悩み、
相談に来られたケースの方が多数を占めています。

 こういった問題の場合、 
 必ず伝えることとしては
「将来こうなった場合の善後策、対処法を教えて欲しい」
よりも
「将来こうならないために今できる事は何か」
を考える事にしましょうとしています。

 事後の対応は、まさに個々の事情によって異なります。
全てに共通するような有益なアドバイスはありません。

 対して事前の備えについては、
概ね共通するので誰に対してもそれなりの効果が期待出来ます。
~対処のタイミングや具体的行動に差はあるものではありますが

 相談時には
「今直面している問題」なのか
「将来発生必至の問題」についての
相談なのかをしっかり聞き出すようにします。

 

 悩みを抱えているとはいえ、
いきなり初見で本音の相談が出来る方は少数派です。
どうしても弱みを晒したくないといったブレーキがかかります。

 こちらも変な忖度の結果、深追いせずに終始一般論で済ませると
結果として何ら得るものはなく、事態の進展を止めることもない。
その結果、懸念していた事態に陥ってしまえば双方に悔いが残ります。

 

 あくまでも経験論ですが、
やはりそれなりの人生経験を積んできた方ほど、
一回の面談で本音を吐露してはくれません。

 こちらも相当なシニアですが、それでもです。
毎回毎回が初仕事、の意気込みで向かい合う。
一回目から本音を安心して吐き出せるような相談相手になること。
今後も追及していきたいと思います。

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この記事の著者

寺田 淳
寺田 淳寺田淳行政書士事務所 代表
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
フェイスブックページ「50歳からの人生設計相談室」
ブログ「新・先憂後楽」
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