悪徳商法にご注意

はじめに

 先日、ある相談者と打合せを終えた後の世間話の中で
「先生、実はこんなサイドビジネスの勧誘が来たのですが
この宣伝の通りなら確実に安定収入が得られませんか?」
と言ってある種のカタログを私に見せたのです。

 詳細は書きませんが、
その内容は実に心地良い文言が飛び交う、
しかしながら明らかに「詐欺丸出し」の悪徳商売でした。

 オレオレ詐欺に始まった詐欺商法や
各種の悪徳商法は減るどころかどんどん悪い方へ発展し
多種多様な「罠」が拡散中です。

 今回は私自身に届いた詐欺メールや手紙、
知り合いから聞いたいろいろな悪徳商法について
紹介したいと思います。

 

 

家に関するもの

 特に持ち家、一戸建ての方が
ほとんど経験ありと答えていたのが
屋根や屋根瓦、外壁の修繕の営業攻勢です。

 シニア世代が暮らす一戸建て、
それも昭和の時代に登場した〇〇ニュータウン等のエリアでは
チラシの投函以外にも直接訪問でアプローチしてくるようです。

「屋根瓦が外れかかっている」
「木造の家屋はそろそろシロアリの被害検査が必要」
「見た感じ外壁がそろそろ修繕する頃と思いまして」

など等の切り口で営業活動を始めてきます。

 私の聞いた範囲では
「実際、ガタが来ていたのは確かなんです。」
と、明らかに改修時期であったことは認めていました。

 この他室内のケースでは
トイレの修理のはずが他の水回りを勝手に調査し、
ここもあそこももう寿命です、交換時期ですと言って
予定外の箇所の修理や交換を奨めるケース等もありました。

 マンションの場合は
外壁や屋根などの営業とは無縁ですが、
室内の水回りのトラブルは一戸建てと同じようです。

 

 

公共料金等に関するもの

 最近特にマンションで多く見受けられるものです。
今なら丸ごと格安回線契約が可能といったセールストークで
既存の電話やガス、電力の契約の一括切替を勧める営業です。

 この手のアプローチは私も経験しています。
と言うか、今も続いているものですが、
多い時は郵便受けに週に3度チラシを投函されました。

 これは持ち家でも賃貸でも、一戸建てでもマンションでも
「分け隔てなく」行われているようです。

 いかに今、新規に契約すれば得になるか、
従来より格安になるかを詳細にアピールしてきますが
実際の使用頻度によっては切替えずとも同額というケースもあり
その場で即断せずに比較検討をする必要があります。

 もっとも相手側もそれを見越して
「今なら」「今週だけの特別プランです」等と
言い出して来たら、眉唾ものと考えてもよさそうです。

 このケースでは、
実際に正当な内容の格安プランの紹介も含まれることがあり、
全てが怪しいと言い切れないところが、ある意味厄介な点です。

 

 

各種販売の営業電話

 最近はあまりお目にかからないパターンです。
この手の電話は昭和の頃が全盛だったのではないでしょうか?

 実際に私も経験がありましたし、
なんと勤務先に名指しで電話が来たこともありました。

 まだ30前の若造にいきなりのマンション投資の勧めでした。
名前と所属は把握したのに年齢は確認出来なかったのでしょうか?
それとも常識のない若造なら組みし易しとでも考えたのでしょうか?

 他にも英会話の学習キットやビジネススクール入学の勧誘など等、
揃いも揃って11時55分過ぎにかかってきました。

 昼休み直前でオフタイムになるから仕事に迷惑はかけていない。
加えて早く食事に出たいといった弱みに付け込む為でしょうか?

 中には直接受付にアポなし訪問してくる強者もいました。
幸か不幸か、当時から図々しい私でしたので一刀両断で断れましたが、
人によっては相手の術中に嵌まりいいようにされたかもしれません。

 なぜ私の情報を知っていたのか?
実際に名指しで乗り込んできた教材のセールスは
私の同期から紹介されたと言ってました。
後日その同期を問い詰めたところ
先方に言われるがままに数人の同期を教えたということでした!
いかにも気弱で押しに弱い奴でしたが、情け無用で叱責しました。

 冗談抜きに身内や仲間からの漏洩はなかなか気付けないものです。
この一件の後、その同期とは当然ながら距離を置くようにしました。

 冒頭では昭和の話と書きましたが、
令和の今でも架空の投資話や怪しい通販の入会勧誘の電話はあるようで
相談者の中にも日中にいきなり電話がかかってきて応対したところ
この手の営業勧誘の電話で切るのに一苦労したという方もいました。
 
 この場合も、
朝の忙しい時間帯や夕方の退社前の時間帯に
狙いすまして電話して来たとのことでした。

 最近では電話して応対したら無言で切り、
在宅を確認して強盗に及ぶという悪質極まりない連中もいます。

 出なければ何度もかかってくる、
出たら出たで押し込み強盗では救いようがありません。

 この場合の対策としては
「留守電」にしておくことが基本でしょう。
本当に用事があるのであれば必ずメッセージを吹き込むはずです。
これは携帯電話でも同じで、留守番電話機能は必須と言えるでしょう。

 更に推奨するものは、
ナンバーディスプレイで相手の番号を事前に確認することです。

 携帯ならば必ず番号表示されるので判別が出来ますが、
固定電話の場合はこれを設置しなくては相手の素性は分かりません。 
身に覚えのない番号や、番号非通知、公衆電話と表示されたら
出るにしても用心して出る構えがとれます。

 

 

押し買い

 実際に訪問し対面でやり取りする訳ですから
却って狡猾な手口なのでしょう。

 これも電話の場合やチラシでの宣伝もあれば
ネット上のサイトで告知するケース等
いろいろな形で広く目に触れるように準備がされています。

 実際に未遂に終わりましたが経験した方の話では
最初は亡き妻の着物や趣味で集めていた民芸品を処分したいと思い
ポスティングされていた買い取り業者に連絡をしたそうです。

 実際の商談時には、着物や民芸品は最初だけで
延々と貴重品や骨とう品等の有無を聞き出そうとしたり 
勝手に室内を歩き回る等の行動に激怒し追い出したそうです。

 この方が気の弱い方だったら、言われるがままに
高価な貴重品類を「格安で」買い叩かれたかもしれません。

 まずこの手の素性の知れない相手を家に招き入れる際には
一人では応対しないようにしましょう。
さらに相手が何名で来るのかを確認すべきです。

 1対1でも気圧される場合があります、
まして数人でとなれば一人で応対するのは非常に危険です。
家族で対応する、友人に同席してもらう等の対策も必要です。

 

 

ネットからの訴求攻勢

 まず思い浮かぶのは健康食品や健康グッズなどです。
今でもカタログを郵送してくるケースもありますが、
大半はネット上で訴求するのが一般的なようです。

 健康食品の場合は、当然定期購入の勧誘で
多くは「初回分無料」「今ならキャンペーン価格で」
「先着何名様までの特典」「今日の午後23時まで」など等…
いかにも今契約するのが最適という宣伝が盛り込まれています。

 これ以外にも化粧品も同様の告知がされていますし、
健康グッズなどは「お試し価格でご提供」「限定何台、何着」等の
購買欲を刺激する文言が並びます。

 これもよく吟味して
今の自分に本当に必要と判断出来るものであれば
購入することに何ら問題はありません。

 よく考えもせずに勢いとノリで即断することが危険なのです。

 

 

訴追型のメール

 以前はよく〇〇地方裁判所からのハガキが使われていました。
架空の未納料金の請求や損害賠償の名目で告訴されたので
以下の連絡先に何時迄に連絡をするようにと言った文言で
身に覚えのない方を精神的に追い込んでいくやり方です。

 最近ではほぼメール攻勢が主流と思われます。
これも私自身も経験しているやり口で、
今でも日に何通も、何十通も届く迷惑な存在です。

 曰く
取引のない金融機関からの口座情報の確認メール、
取引ある金融機関名からの個人情報の更新登録の依頼メール
利用履歴のある通販大手からの商品代金未納、入金催促のメール
さらには友人からのメールを装った住所確認のメール等

 よくも考えついたと思う程何種類も、何回も送信されてきます。

 表示画面を見ても正式な名称で、HPのレイアウトも本物と同一です。
もしかしたら自分に非があったのでは?と不安になる内容ですが、
よくよく調べると個人名のアドレスになっていたり
正式な名称以外は意味不明なURLが記載されている場合等は
100% 迷惑メール、詐欺メールです。

 参考までにこの1か月で私に届いた迷惑メールのうち
5回以上送られてきたものの中から一部を抜粋して紹介します。

 Amazonプライムの自動更新設定の解除のお知らせ
 Amazonから緊急の連絡=情報を更新して下さい
 Amazonご登録のアカウントの確認(氏名、パスワード等!)

 ウーバーイーツ利用確認のお願い
 ウーバーイーツお支払金額の案内
 ウーバーイーツ事務局からのお知らせ
 ウーバーイーツ本人情報緊急確認

  新幹線eチケットサービス(アカウントの自動退会処理)
  三井カードご利用確認

 等など、メジャーどころの差出人が多数あります。

 残念ながら私はウーバーイーツは一度も利用してませんし、
三井カードなど保有したことすらありません。

 文面だけを見れば、
仮に利用経験者であれば
思わず確認したくなるような内容でした。

 全く油断も隙もありませんね。

 

 

どうすればいいか?

 この手のメールへの対応としては
決してメールに記載されているURLを
安易にクリックしないことです!

 どんな内容が書かれているか? 
連絡文には詳細が書かれていないので
心情的には開けてみたくなりますが、
それも相手は織り込み済みです。

 覚えのない相手であれば無視、
取引のある相手であれば
メールではなく電話で確認しましょう。
その場合もそのメールに記載された番号にかけないで下さい!

 必ず正式なHPから
この手の質疑応答に対応する番号を確認してかけることです。

 

 

終わりに~こんな人、こんな言葉はご用心!

 以上、
ごく一部の迷惑商法や悪徳商法を紹介しましたが
この手の被害者に共通する特徴があります。

1)プライドの高い人
 自分が騙される訳がない、
 自分が正しいと判断したのだから詐欺のはずがない、
 自分は正しい知識を持っているのだから間違えない!
 といった自信過剰気味なタイプ

2)感情優先で行動する人
 自分には直感がある、勝負ところで負けなし、
 これも一種のプライドですが深く考えたり
 比較検討するよりも自分の勘に頼るタイプ

3)友人のいない人
 怪しいと疑ってもその件を相談したり、
 頼れる友人がいない人
 また、日常の話し相手もいないようなタイプ

4)嫌といえない、嫌われたくない人
 性格的な問題ですが、押しに弱く
 自分さえ我慢すればといったタイプ

5)権威に弱い人
 役所推奨 官公庁御用達等の文言を
 頭から信じ込んでしまうようなタイプ

 皆使ってますよといった言葉に弱い
 付和雷同型の人も含まれます。

 

 要注意のワードには以下のようなものがあります。

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  タイムセール特典で今日の何時までなら入会金、会費無料

  この手の文言は、
ほぼ確実にこの裏に何かしらの魂胆が潜んでいます。
話を聞くにしてもその前提で話を聞くようにしましょう。

  今だけ、今なら、無料、格安、お得、貴方だけ

 更に要注意なのが、

  必ず儲かります! 元本保証! 

といった「一攫千金」を煽る宣伝文です。
絶対儲かる話というのは絶対に無いのです。
そんなうまい話があれば普通は他人には教えません。
こんな当たり前のことを分からなくする程、
狡猾な勧誘が待ち構えていること、肝に銘じて下さい!
 

 結論としては
言い古された言葉になりますが、
「自己責任で」臨むようにして下さい。

 最後に余談として、
我が事務所も「初回相談は無料」と謳っていますが、
こちらは何の裏も魂胆もございませんので、ご安心を。

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この記事の著者

寺田 淳
寺田 淳寺田淳行政書士事務所 代表
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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