【はじめに】新・先憂後楽が目指すもの
長くメンテナンスの為に閉鎖していましたが
ようやく新しいブログとして再開の運びとなりました。
今ブログではテーマをズバリ「おひとりさまの終活」に絞り込みました。
正真正銘の(天涯孤独な)おひとりさまはもちろんのこと、
単身赴任を始め、家族と別居で暮らす方も「事実上のお一人様」ですから
何かと参考になるような内容の記事をこれから展開していこうと思います。
第一稿は、今回のブログの骨子であるおひとり様の暮らしについて
ランダムに採り上げてみました。
おひとりさまでも やるべきことは意外に多い
もしもの時が来ても
配偶者や子供、又は親や親せきに迷惑をかけることはない。
あとは野となれ山となれ?
ここまで野放図な方はめったにいないでしょうが、
いざ、終活を「ひとりで」「すべてを」行うとなると、
何をしたらいいのか?
何からしたらいいのか、
いつからしたらいいのか
これだけで行動を起こす前に迷走してしまい、
結局は「明日にしよう」「後で考えよう」とうやむやにすることの繰り返し…
まずは、具体的に「最低限備えるべきは何か」を
以下にまとめてみました。
終活は「さ・し・す・せ・そ」でまとまります。
「さしすせそ」の法則といいますと、
料理の際の調味料が有名ですね、
砂糖、塩、酢、醤油(せうゆ)・味噌
全て料理の味を決める重要な要素でもあります。
これと同じように、終活でも意識すべき項目が
「さしすせそ」でまとめることが出来るのです。
1)終活の さ
祭祀承継の、さ です。
おひとりさまでも当然ながら先祖はいます。
近くは両親、祖父母、場合によっては兄弟姉妹など。
実家にある墓に加えて、仏壇や仏具なども
将来どうすべきかを考える必要があります。
ほとんど交流のない遠い親族がいるような場合は、
自分の死後にはそちらに負担をかけることになることを
強く意識しておく必要もあります。
さらに言えば、
今現在の祭祀承継が誰になっているかの確認も
しておくべきでしょう。
2)終活の し
まずは、仕事の し です。
勤めに出るのであれば、何歳まで働くつもりなのか?
70才まで働く、雇用延長? 再雇用? 嘱託やパート等
働き方のスタイルはどう考えますか?
さらに自営業で個人経営のような場合は、
まさに仕事の仕舞い方、仕舞うタイミングが重要になってきます。
次は、心身の健康の し です。
おひとり様で生活するのですから、
頼れるのは自分自身だけといっていいでしょう。
特にシニア世代のおひとり様の場合、
心の健康を害すると一気に深刻な状況に陥ることが多々あるようです。
そうならないためには、自分で何が出来るか?
肉体面の健康でも働き方から食生活、生活習慣等、課題は多いです。
次に、事業承継の し があります。
祭祀承継と並んで、誰かに託す項目の一つです。
前項の自営業の場合など、仮に事業を誰か第三者に継いでほしい?
反対にきれいさっぱりと廃業する?
どちらにしても事前に周到な準備を要するものです。
祭祀承継以上に取引先や顧客に与える影響は大きいものですから
後始末については真剣に向き合う必要があります。
最後は、死後事務委任の し です。
遺言ではなく、葬儀の前までに発生する諸事に関して
どう片付けていくかを考えて、事務手続きがスムースに進むように準備する。
一例を挙げれば、葬儀をするか否か? 訃報連絡をするか否か?等など、
特に第三者では判断が困難な項目への希望(指示、または依頼)です。
3)終活の す
まずは、住まいの す です。
持ち家であっても賃貸であっても
その後の住まいの扱いについてどうするかは特に大きな問題です。
持ち家でも戸建ての場合とマンションでは事情が異なります。
賃貸の場合は孤独死からの死後放置といった難問が付いて回ります。
もう一つの住まいの問題には実家の空き家問題があります。
特に最近増えているのが、
一人っ子同士の夫婦が直面する「2軒の実家の空き家問題」です。
一軒の始末だけでも高額費用や時間と労力を課せられる「難行」です。
これが2軒となればどれだけの負荷となるでしょう?
実際に会ったケースとして、
お互いが地方出身者同士の一人っ子で、東京で結婚し居を構えたものの、
双方の実家は北海道と山口という「超遠隔地」で実家の始末に苦慮している。
こういった笑えないケースも今後は増加傾向にあると思われます。
もうひとつは、スマホの す です。
正確にはスマホを筆頭にデジタル遺産となるデジタル資産の問題です。
スマホやタブレット端末、パソコン内に存在する個人情報をどうするか?
処分を託すとして、誰に処分してもらうのか?
契約の解約も自分以外の誰かに託す必要があります。
貴方は、この手の後始末をいつから始めるのか? 誰に託しますか?
4)終活の せ
ここには、生活支援と成年後見の せ が該当します。
前者では見守り、財産管理など、日々の生活に関するケアが、
後者の場合は、特に任意後見契約の是非が問われます。
ちなみに、
全体をくくる言葉である「生前整理」もここに含まれますね。
5)終活の そ
いわゆる終活の主要テーマがここにあります。
葬儀・相続・贈与の そ ですね。
重複しますが、
誰に訃報連絡をする?してほしい?
それ以前に葬儀をする?しない?
するなら直葬で済ませるのか? 一般葬を執り行いたいか?
個人墓に入る?樹木葬や散骨が希望?
葬儀に関してはいろいろ時間と費用が絡む問題が出てきます。
おひとり様ですから相続問題は一見なさそうですが、
お世話になった第三者に遺贈するかどうかという問題は残ります。
その旨を記載した遺言をどう書くか? どう保管するか?
仮に生前に贈与するならば、
相手に負担や迷惑をかけない贈与はどうすればいいか?
特にいろいろな問題発生が想定されるのが、「そ」ではないでしょうか?
終活をやり遂げるには
1)地域包括支援センター
さて、ここまで紹介してきた項目を
すべてひとりでこなしましょうというのは、酷な話です。
利用出来るものは、遠慮なく積極的に活用すればいいのです。
その為にも、情報を得るための行動(努力)は必要です。
ここでは概要しか紹介しませんが、
最も身近で利用しやすいのは「地域包括支援センター」でしょう。
地域包括支援センターの活用法としては、
まず、今の自分にとって必要な支援は何か?
それは支援センターで受けられるものか?
受けられるならその手続きはどうるればいいのか?
逆に受けられないものであれば、どこで対応してくれるのか?
さらに対応先が今の時点では無い場合はどうすればいいのか?
まずは最寄りにある地域包括支援センターに連絡を取り、
どのような支援サービスが用意されているかを確認し、
自分が利用できるサービスは何かを事前に確認しておく。
特に近隣に知人友人がいないおひとり様は、
積極的に活用することをお薦めします。
2)孤独と孤立は全くの別物
そもそも孤立とは、
社会との接点を喪失している状態を指します。
対して孤独は、
社会との接点を保持している中での選択肢のひとつです。
貴方の周辺では、具体的にどんな繋がりがあるでしょう?
例えば、
かかりつけの医者を持っている。
皮肉にもこれまで医者いらずの心身健康な状態を保ってきた方ほど
ここの接点がおろそかになりがちです。
デリバリーの常連になる。
これも地域によっては対象外地域の場合もありますから絶対とは言えません。
コンビ二の常連になる。
今やシニア世代やおひとり様には生活必需品となったコンビニ、
日常的に利用することで、生存証明の意味合いも持つことになり、
宅配サービスがあれば、さらに貴重な接点となります。
無論、毎回一定額の費用が発生することは避けられませんが…
新聞の定期購読
販売店の方と仮に朝刊が何日も回収されてなければ通報して欲しい等、
異変の早期発見に活用も可能ですが、これも購読料が発生します。
集配クリーニングサービス
これも同様に、何日も受け取りに来ない、
あるいは届けに来ても部屋から出てこない等で早期発見に繋がります。
これ以外で人間関係での繋がりで期待できるものは何でしょうか?
まずおひとり様の場合、
大前提として親族との繋がりは期待出来ませんね。
そうなれば、必然的に他人との繋がりに絞られます。
趣味で繋がった友人は特に重要と考えます。
なぜならまず共通の話題で話しやすいですし、毎日でも苦になりません。
挨拶後の会話に窮するような繋がりでは、遠からず絶えるでしょう。
この他にも、元の会社の同僚や学生時代の親友などであれば、
1か月に一回程度なら定期的な交流は期待出来るのではないでしょうか?
これらに比べて
意外に難しいのが自宅近所の人間関係の構築です。
特に前職がサラリーマンの場合は要注意です。
会社と自宅の往復ばかりの仕事人生だった場合、
定年退職後、または50代で在職中であっても、
いきなり見知らぬ隣人と簡単に親しくなれるはずがありません。
以前は挨拶程度は交わしていたものの、
いつの間にか周辺住民が世代交代しており同年代世帯がいなくなっていた。
近所の住人は皆家庭があるなどでおひとり様の自分からは溶け込みにくい、
どうしてもしり込みしてしまう。
このような外部環境を変えてい行くためには、
おひとりさまは「自ら行動する」ことを厭わないこと
に尽きます。
旧友や元の同僚には、メールでも電話でも自分から連絡する。
趣味については今からでも何か趣味を持つことを心がけること。
今更初心者から始めるなんて…等と否定的に考えない。
却って知識や経験が豊富な趣味の場合、新しい仲間の中で
無意識にマウンティングを取ってしまいがちなケースが少なくありません。
上から目線で趣味を語るのでは、新たな人脈作りは期待出来ません。
仕事が趣味でした等の、無趣味派であるならば、
自治体主催のセミナーや講習会等に参加する。または相談することです。
特に自治体が開催するものの多くは参加費無料のものがありますから
冷やかし程度の気持ちでの参加から始めてもいいでしょう。
ここまでの中でもまだ行動に移せないという場合は、
ひとまずは書店で「おひとりさま」関連の本を探すことです。
孤独・孤立といった問題に直面しているのは
自分だけはないということだけでも本から読み取れれば、
自分を自分で追い込んでしまうような行動にストップをかけられます。
ストップ・ザ・孤立感
満足のいく終活の為には、この気持ちを持つことから始めましょう!
次回からは、具体的な内容を交えたブログ記事を
いろいろと紹介してきたいと思います。
今日のまとめ
最後に、今日のまとめです。
・おひとり様の終活は相続人や親族がいる場合以上に事前準備が肝要です。
・終活の棚卸しを終わったら、優先順位を決めていきましょう。
・自分だけで全てをこなすのではなく、地域や公的サービスを活用しましょう。
・まずは最初の一歩を踏み出すこと、行動なくして変化は生じません。
この記事の著者
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東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。
主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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