書籍の処分について

【はじめに】

 実家の家財整理、自分の部屋の書籍の整理と
この2年は「本の整理」が続きました。

 本が趣味という方は良くお分かりと思いますが

 気が付くと増えている。
 意外に場所を取り、重い!
 何度か整理を心がけるも何度も途中で挫折・放棄した経験がある。

 この様な経験は誰もがしたのではないでしょうか?

 終活にも含まれる本の整理、処分について紹介します。

 

【同好の士に託す?】

 同じ趣味の友人に無償で差し上げる。
半分「厄介者の処分」のニュアンスを込めつつも
欲しがってくれる人物に託すのは「本にとっても幸せでは?」
ただゴミとして処分よりはこちら側の心も救われる…

 同様に地元に本の寄贈を受け付けるような団体や
不要本受取を表明している自治体などへ持ち込むのも
ひとつの選択肢と思います。

 ただ貰い手探しにはそれなりに時間がかかりますし
引き取ってくれる場合でも概ね「持ち込み」ですから
けっこうな量の場合は運搬手段や移動手段を考えなくてはいけません。

 さらに注意すべき点として本の余白に書込や
多数の頁の折込みや線引きなどをしたものは避けるべきでしょう。
貰う側としてみればいい気持ちがするはずもありませんし
下手をすると良識を疑われることにもなり兼ねません。

 必ず全ページに目を通して
託す相手に気持ちよく読んでもらえる状態の本かどうか?
確認してからリストアップするようにしたいものです。

 この時間と手間がかかる点をどう捉えるかで
選択肢として適当かどうかが分かれます。

 

【ゴミとして処分】

 空き家になった実家の書籍に関しては
特に本の選別をするにも遠方から何度も足を運べないとか
亡父の趣味本に何の関心も無いような場合は処分となります。

 他の衣類や家電品などと一緒に業者一任で一括廃棄する。
先の事例のように書込や線引き等を調べる必要もありません。

 自分の負担が最小限なのがこの選択ですが、
けっこう後から希少本があったことが判明し後悔した、
事前に回収し忘れた思い出の本まで整理してしまった、
等といった失敗談が多いのも事実です。

 最近はまず聞きませんが、昭和の頃には
故人が大切な本の間に「へそくり」を隠していたとか
まだ存在していた「株券や有価証券」を隠していたといった
グレーな税金対策?が後から判明したというケースもあったようです。

 その代わり、本や故人の日記帳等から「遺言書」が見つかり
業者からの連絡でやっとまとまった相続協議が白紙になった!
といった話は今でも話題に上ることがあります。

 自分が所蔵する本であれば
そのような事実があったかどうかは
自分が一番よく分かっているはずですから
深刻な問題にはなり難いですが
問題は実家の整理で親や兄弟の所蔵する本の場合には
時間と手間を省きがちでノーチェックで処分するケースが
大半のようでした。

 出来ることなら関心のない本を処分する場合でも、
全ての本に必ず目を通しておきたいものです。

 

【買い取り店に売却】

 今の時代、買取は二分化されています。
従来は神田神保町のように「古本」として売買するのが前提の
古書店がメインでした。

 最近ではここに「ブックオフ」を始めとした
リユース専門の全国チェーンの買取業者や
地元密着の中小の買取店や地元の古書店が加わります。

 ここではブックオフ系の新しい買い取り店と
神田古書店街を比較してみたいと思います。

(ブックオフ系)

利点)・最寄りに店舗がある
   ・駐車場完備の店舗が多い、店舗数が多い
   ・場合によっては自宅に引取りに来てくれる
   ・本以外の商品も同時に売却・処分が出来る
   (電化製品、スポーツ用品、衣類、時計・貴金属等)
   ・値段がつかない本も無償で引き取ってくれる

課題)・買取金額は総じて安い
   ・10円単位の値付けが多くタダよりまし、を納得する必要がある
   ・値付けの基準があいまい、店によって評価額が異なることもある

 実際店のスタッフに尋ねたところ、
やはりエリア毎の「嗜好・売れ筋」が異なる為
評価額に違いが出ることは事実だそうです。
かといってどの地区ではどの本が高いといった基準はなく
こればかりはそのタイミング(売り時)で差が出るようです。

 評価の基準の一つは当然ながら外見の劣化具合です。
破れやページの折れがあれば低評価は当然で
日焼けして表紙のタイトルが消えかかっていたり
上面が日焼けや埃の付着で汚れが目立つような本は
まず値段はつかないとのことでした

 ただ、汚れや日焼けの度合いによっては値をつけることもあるそうで
先に述べたようにその店(そのエリア)での売れ筋の本であったり、
かなりレアものの場合はそれなりの値段で買い取りをするとのことでした。

 また、たまたま原作本が映画化やテレビアニメ化されたタイミングで
持ち込まれた場合には人気が再燃し需要倍増で原作本の値打ちが急騰し
多少の劣化でもかなりの価格で買い取ることも少なくないとのことでした。

 不謹慎ですが、
直近で亡くなった作者の作品も一時的に需要が増えるようで
初期作品や遺作となった本は需要が高まるとのことでした。

 クルマを使って大量の本をまとめて査定
値が付かなった本も「無料で」引き取ってくれる
自宅近くのあるので何回かに分けての売却も容易

 買い取り価格に拘らなければ
自分の負担が最も軽くなるのはこちらの利用ではないでしょうか?

 

(古書取扱店)

 一般的には雑誌や最近の本は取扱いをしない店もあるので
あくまでも古書の処分に絞って考えた方がいいでしょう。

 神田神保町の古書店等では
最初から劣化ありきの本が前提ですから
価値はあくまでも稀少性であり、マニア受けするジャンルが
高評価になるとのことでした。

 特に「初版」は今と違って発行部数が少ないものほど
価値が高まるとのことでした。
 さらにカバーに帯が残っている、状態が非常にいいといった
外観上の保存状態でもプラス査定が出るとのことでした。

 個人の経験ですが以前戦後すぐに発行された
後の人気作家のデビュー2作目の初版を持ち込んだ際に
元値が100円台のものが〇万円台で売却出来ました。

 滅多にない事ですが、一種の宝くじ的な奇跡も
遭遇することがあるといった楽しみも味わえます。

 ただ当然課題はあります。
基本古書店へ「自身で持ち込み」が大前提です。
地元の個人経営の古書店なら別ですが。
本家本元の神保町界隈は意外に駐車場が少なく、
店舗で駐車場を備えているケースは私の知る限りありませんでした。

 また高額の売却額が期待出来る古書は
概ねケース付きのハードカバーの大判です。
実際私の所有する古書で試したところ、
紙袋に入れて手にぶら下げた状態で試しましたが
時間にして30分、運べる冊数も3~4冊が限度でした。

 自宅からタクシーというなら別でしょうが
普通に電車移動で持参するにはかなりの体力勝負が避けられません。

 また店によって専門分野や得意分野が異なるので
持ち込む先もその都度変える必要があります。
事前に店ごとの得意分野を調べる手間がかかりますし
実際に出向いた際も店の立地によっては
けっこう右往左往させられます!

 なんでも受付という店なら一括で買取してくれますが
当然評価額は安くなることを覚悟する必要があります。

 劣化や汚れもあまり問題視されず
本の種類は限定されるものの高値で売却が期待出来る。

 その為には時間と労力をかけることは厭わない…

 こういう方であれば、時間をかけて処分する選択もアリでしょう。

 

【終わりに】

 最近は本に限らずスポーツ用品や衣類、家電製品など、
あらゆるものがリサイクル品として注目される時代です。

 ただ捨てるしかなかった品が
うまくいけば金額がついて「お小遣い」に化ける。

 まだ使えるのに(捨てるのは)勿体ない?
 おカネになるのであれば(捨てるのは)勿体ない?

 理由はどちらでも構いませんが
モノを大切にする風潮になれば悪いことではないでしょう。

 その中でも趣味品の一種である本は買換えが発生しませんし
却ってどんどん増殖する代物ですから定期的に所有する制限数を
決めておき、選別を継続する必要があります。

 とにかく本というものは文庫サイズであっても
書棚一列を埋める程度でも一気に持ち運ぶのは
かなりの負荷がかかります、ましてやシニア世代となれば
一歩間違えれば重大事故のリスクも少なくありません。
この他にハードカバーの愛蔵版などがズラリと並んでいたら?

 あまりのボリュームを前にして整理する気力が失せてしまい
事態はどんどん深刻化するのが本の特徴のひとつです。

 本好きの方は「断捨離」を考える際には
本の「定期的な」断捨離を第一に考え、
どういった始末が本にとっても自分にとっても
最適かを考える習慣をつけたいものです。

この記事の著者

寺田 淳
寺田 淳寺田淳行政書士事務所 代表
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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