【はじめに】シニアが気を付けるべき「3つのしょく」とは?
定年退職や早期退職したシニアにとって要注意項目として、
私は3つの「しょく」が思い浮かびます。
特に退職後の第二の人生を何の準備もしないまま、
あるいはかなりの楽観論で臨んでいたような場合に、
この注意点はより現実味を帯びてきます。
一応前提としては
60代で定年退職を迎えた方を想定していますが、
40代、50代で早期退職された方も場合によっては該当します。
何となく覚えがありそうな方は参考にして下さい。
退職後に遭遇する厄介な3つの「しょく」について
紹介したいと思います。
最初のしょくは「職」
最初の「しょく」は仕事の「職=しょく」です。
一部の投資家や年金で生計が成り立つようなレアケースは別にして
殆どの場合60才、65才の退職後も新たな「職」に就いて
第二の人生を迎えるはずです。
定年、又は早期退職に「無職」のままで過ごすことは
だれも望んではいないと思います。
ですが、
定年退職でも早期退職でも、自身が納得してのものであればいいのですが
例えば役員競争に敗れて定年退職の規定から無念の退職というケースや、
会社側の早期退職勧奨で心ならずも応じてしまった早期退職のケース等では
なかなか第二の人生の過ごし方を考えるまでに時間を要します。
この他、納得したうえでの退職であっても、その後のプランが
当初思い描いたようには進まず、無職のまま徒に時間が過ぎていく。
それなりの高額と思われた退職一時金も
無職のまま過ごす時間が長ければ、早々に底が見えてきます。
その結果、次第に切迫した状況に陥ることで
心身に相当なダメージを被ることがあります。
当たり前のことですが、退職後の「職」について
在職中に、それも早い段階から備えておくことは
もはやシニア世代の必須案件と思って下さい。
2番目のしょくは「食」
これは食欲への欲望・要望を指します。
食欲には「腹いっぱい食べたい」と「いろいろな味を楽しみたい」
の量と質の2種類があると私は考えています。
これら食への関心が減退するのが
シニア世代のひとつの特徴です。
退職ならぬ、「退食」です。
食欲(食事量)が無くなるのは
加齢からくる食事量自体の減少による場合もありますが、
やはり多くの場合心身の健康状態に支障をきたしたというのが
大きな要因と言えるでしょう。
特に現役時代に何かと理由を付けて定期健診などを避けてきた、
あまり真剣に診察結果を受け止めてこなかった方ほど、
急激な減食(退食)には注意を払うべきです。
もう一つは食に関心が無くなる、薄くなる。
食べることへの執着が無くなることを意味します。
今までならあれこれと食事に注文を付けてきたのに、
「なんでもいい」「皆と同じものでいい」「いつものでいい」
というような食事を考えることが面倒くさい、鬱陶しいとなるケースです。
下手をすれば毎食同じもので構わない、
強いて食べたいとも思わないという状態になれば、より深刻です。
私の周囲にも若いころは
「やれ〇〇を食べるならどこそこの店でないと!」
「少し遠いが地酒の旨い店があるから歩こう!」
等など、食に執念を持っていた知人だったのが
「皆と同じでいい」「面倒だからここで食べよう」
「最近は3食ともコンビニ弁当で済ませている」
といった180度の変貌を遂げた人物がいました。
この場合の多くは
身体よりも精神面での問題がより大きく影響するようで
いわゆる「気力・拘り」が減衰したことによるものでしょう。
3番目のしょくは「色」
色気というとやや語弊がありますが、
いわゆる「オトコ」としての美意識といった方がいいかもしれません。
ズバリ、身だしなみに気を遣うことです。
お洒落までいかなくとも、人に不快感を与えない最低限の身だしなみは
社会人の基礎中の基礎です。
文字通り色=色欲そのものも該当します。
異性を意識することで服装や整髪、爪や髭の処理等に神経を配るはずです。
それ以外でも、いわゆる「他人にいい恰好」するために、
新聞は毎日目を通し、テレビや雑誌から芸能・スポーツ関連の最新情報に
気を配り、トレンドに詳しいといった評価を得ることも色気と言えるでしょう。
色気があれば、他人の目を常に意識します。
ひとりでコンビニに出かける際でも「年寄り臭い見られたくない!」
「だらしない恰好では出かけられない。」といった「矜持」を持つことは
悪いことではありません。
他人の目を気にするということ(特に異性)は、
自身の若々しさを保つのに最適な刺激です。
服装以外にもヘアスタイルや爪、無精ひげ、襟が変色したシャツや
全く手入れされていない靴など等、チェックポイントは多岐にわたります。
どうせ誰に会う訳でもなし、
買い物したら即Uターンで帰宅するだけ、
年中着たきり雀で全然気にしない、
即ち「色気がなくなる退色」も大いに問題ありです。
その行き着く先は
食については今さら言うこともないですが、
生きる上で欠かすことのできない基礎中の基礎です。
気がついたら食が細くなったな、
で済ませるのではなく、食事の内容を見直しましょう。
調べてみたら1週間のうち同じメニューが3回もあった。
偏食とまでは行かないまでも同じメニューの繰り返しになっていませんか?
さらに気になるのは味覚の問題です。
味が分からない、何を食べても同じ味、美味いと感じない…
これでは食欲が増す訳はありません。
こうなった原因が何か? もしかしたら重大な内臓疾患が
原因というケースも視野に入れるべきです。
もう歳だから、
最近は自宅にこもりきりだから
食欲も落ちて当たり前だと自分勝手に片付けるのではなく、
自分の体を守れるのは自分だけという気持ちで注意すべきです。
色気についても同様です。
「退色」が著しい場合、公私共に無関心、無気力になりがちです。
放置しておけば自分の身だしなみ以外にも無関心になるのは必至で、
自宅内の整理整頓も怠りがちになり、セルフネグレクトやひきこもり、
さらには鬱の発症等など事態は悪化の方向に進むだけです。
【むすび】原因は共通する?
如何ですか?
貴方自身に思い当たるような傾向は見受けられませんか?
定年退職したら、食も色も定年退色、定年退色を迎えるようでは
いい第二の人生を迎えられるはずはありませんね。
でなその原因として考えられるものは何があるでしょうか?
食への関心の減退も、
色気への執着の減退も
実は人や社会との接点を失ってからだった。
自らを振り返ってみて気が付いた原因が
退職後の人生になってからといったケースはかなり多かったのです。
退職後、会社時代の仲間とも交流が無くなった。
学生時代の旧友との連絡も途絶えがちになった。
近所には挨拶以上の会話をした知り合いはいない。
接待や同僚との飲み会が無くなってから飲みに行ってない
誰も気軽に食事や酒の席に呼んでくれない、呼ぶ相手がいない
気が付けば、真の意味のおひとり様になってしまい
従来保っていたはずの外界との接触が断たれてしまったのです。
職を離れて、生活が一変し
気力が減衰した結果、
次第に「退色」「退食」に陥った。
こういう「負のスパイラル」を招かない為にも
やはり「好奇心」「探求心」「行動力」は欠かせません。
生きる為の気力の充実を保つためにも
これは年齢不問で欠かせない要因と思ってください。
今はもう気軽に声をかけて一緒に出掛けてくれる相手がいない、
それならば一人ででも街に出る事、一人でランチを摂る、
居酒屋に入る、バーで寛ぐことを目指してみませんか?
どこに行けば分からないというならば、
それこそ食べログ等を利用して地元で評判の飲食店をリサーチ、
気になった店に飛び込むだけで済みます。
その結果ネット上の評価は自分にも納得出来るものかどうかなど、
ひとり評論で採点し、自分だけの味のランキング作りを始めてもいいでしょう。
当然、初めての店に行くのなら、
それなりの身だしなみは意識するはずです。
とにかく、
第三者、外界との接触がある限り
食や色気は減衰はしないはずです。
今の60代が
変に老成して粗食が一番、
晴耕雨読などといっていると
先に書いたように引きこもり予備軍へまっしぐらです!
60代以上のシニアの皆さんも、
いやだからこそ 休日はスニーカーを履いて出かけましょう!
この記事の著者
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東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。
主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
■フェイスブックページ「50歳からの人生設計相談室」
■ブログ「新・先憂後楽」
■コラム「マイベストプロ東京」
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