貴方は大丈夫? 張りのある毎日を過ごせてますか?

【はじめに】

 最近は何故か学生時代のゼミやサークルの仲間、
前職の同僚や同期、諸先輩等とのOB会が盛んです。

 当然ながらこの手の会に参加される方々は
皆元気で、おしゃべりで健啖家です。

 そんな中、
ここ2,3年姿を見ない、連絡が取れなくなった
最近FacebookもXも更新されていない
病気と言う話も聞いていない
どうも自宅から出てこない?出られないようだ

 原因不明で消息も不明、
といったケースが少しづつ出てきているのです。

 明らかに事故や病気が理由であればまだしも
そうでないにも関わらず、交流の場から消える…
シニア世代になると発生するこの問題について
どうすれば避けられるかを考えてみました。

 

【毎日することありますか?】

 FacebookやSNSで日々の過ごし方を投稿する、
同期会などの幹事役を積極的に引き受ける。
外出してやることが途切れない…

 私の周りにもある日突然に連絡が入り
唐突に事務所に顔を出すメンバーがいます。

「近くでやってる展示会に行ったんでついでに」
「同窓会まで時間があるから暇つぶしに来た」
など等、こちらの都合はお構いなしですが、
久々に元気な仲間の顔を見るのは悪い気はしません。

「会社を辞めてもやること多くて」
「ようやくやりたいことを気兼ねなくやれるんだ」

等と言った前向き、アクティブな気持ちが溢れてます。

 活気がある、張りのある毎日を過ごすのに
重要な課題の一つは何と言っても
「することがない状態」の有無
と私は考えます。

 一日単位、週単位、月単位で振り返ってみて
何もすることが無いといった状態があったでしょうか?

 別に外出して人と会うのではなく
行きつけの喫茶店で時間を過ごすとか
少し足を伸ばして史跡巡りをしたり、
図書館で読書に没頭するといった
単独行動でも構いません。

 さらには出かけなくとも
自宅で趣味に没頭していたとか
メールやSNS、または電話での会話で
外部との接触を図っていた、
あえて意図してやることのない状況を作った
というのであればいいのですが、
文字通り終日ぼ~、と過ごしているのは問題です。

 これが1日だけの話ならまだしも
過去一週間を遡っても何もしていない、
何かして過ごしたした記憶がない、
誰とも逢っていない、会話していない!
この間電話もかけてもいないしかかっても来ない
メールのやり取りも無い!
気付いたら日曜になっていた…

 と言うのであれば要注意です!

 会社勤めを卒業し、
有り余る自由時間が出来たのに、
やることがないどころか、
やりたいことがない、やる気もない…

 なぜこのような状態に陥ってしまうのでしょうか?

 

【好奇心、関心を持たなくなる】

 これには自分自身への興味や関心を持たなくなることと
社会への興味や好奇心の減衰といった2種類の問題があります。

 自分自身に生じる問題として挙げられるのが
自分に興味を持たなくなることです。

 例えば若い頃は普通は身だしなみやお洒落に気を遣います。
目の前にあるコンビニに行くだけでも着替えをしたり
身だしなみを整えてから外出する。
同性との遊びの場合でもファッションチェックの為に
かなりの時間を費やすことは一般的だったはずです。

 同じ様に社会の動きに対して関心を持ち、
好奇心も旺盛で関心を持ったことについては
積極的に外出することも苦ではなかったはずです。
この場合は前段の場合以上に他人の目も気になりますから
より服装や身だしなみに注意を払っていたはずです。

 これがシニア世代になると変化が生じてくるのです。
特に一人暮らしやおひとり様の場合は気にしてくれる家族はいません。
チェックしてくれる第三者いなければ後は自己判断だけです。
他人の目を気にしなくなり、面倒だ、何でもいいやと
「着たきり雀」になりがちです。
 
 コンビニに出向く際に寝巻代わりのジャージ姿で全く平気。
友人と街中で会う場合でもいつも同じ服装で出かける。

 先述したように誰か同居する家族がいれば
注意してくれたり着替えを促したりしてくれますが
おひとり様にはそういった外部からの影響はありません。

 
 また外出自体に関心が薄れるのも要注意です。
物事やトレンドに関心が薄れますと当然出不精になります。

 多くの場合、何か関心を持つことがあっても
「自宅で調べれば済むこと」「わざわざ観に行くほどのものか?」
等の理由から自宅を出ることを避けてしまいます。

 ここまで来ると多くのケースでは
「食」への関心、欲求も希薄になっていくようです。
それこそ一日三食コンビニ、デリバリーで済ませる。
3,4日同じメニューでも気にならない…
デリバリーのオーダー時も電話ではなくネット注文で
会話を避ける等の状態です。

 ヒトやモノ、そして自分に興味も好奇心も持てなくなれば
行き着く先がどうなるかはもはや明らかです。

 

【利便性に潜む危険性】

 物事に関心が無ければ
あえて今日やってみようという目標も
立てられる訳はありません。

 やることがないから、昨日と同じ(なにもしない)でいいや
となってしまえば「やることがない」ことにも焦らなくなります。

 最近この手の傾向にある相談者と面談する機会がありましたが
まさに自宅で終日過ごすことが常態化しつつあるというのです。
ただ彼の場合部屋に話し相手がいました。 「生成AI」です。

 生身の人間と対面では切り出せないような話題でも
「彼」なら気兼ねなく話せる、パンツ一丁でも問題なし。
わざわざ着替えて指定された場所に指定された時間に
出向かなくていいし、帰りの時間を気にしないでいい。

 この事例はより若い世代に影響を与えているようですが
シニア世代でもこのような環境を是とする層が現れたのです。

 食事や食料品、日用品の購入についても
従来はこれら必需品の入手の為には外出する必要がありました。

 それが今では大半のものはネットオーダーで入手可能です。
配送もタイミングによっては当日配送が可能になるので
それこそわざわざ外出する気持ちが失せるのも納得出来ます。

 日用品以外の場合でも、
趣味の品でも今やネット上の方が在庫アリの確率は高くなり
例えば書籍の在庫確認も指一本で即時に確認出来てしまいます。
おまけにサイトによっては送料も無料です。
最近では類似したテーマの書籍や作者の最新作まで
丁寧に表示もしてくれるので本屋での楽しみのひとつだった
予定外の出会いからの衝動買いやついで買いも可能になりました。

 遺憾ながらここまで来るとリアル書店での買い物と
どこが違う、書店で買うメリットはあるのかと言われると
答えに窮するのが今の私の現状です。

 書籍以外でもDVDやCD、模型やパソコンの周辺機器などは
在庫は豊富で在庫確認も秒殺、加えて翌日配送となれば
実店舗まで出向くケースは減少必至でしょう。

 若い頃は遠方の名店や名産品の為に
クルマを飛ばして出向いていたものが、
全てネットオーダーで翌日には手に入る、
ガソリン代や高速代、駐車場代を考えれば
コスト面でもネット生活には分があります。

何より時間の無駄が大幅に解消されるのです。

 全てが自宅で手に入るような生活、
話し相手も気遣い無用のAIがいる。

 ですが、便利な世の中にもリスクは存在します。
冒頭で紹介した「することがない」を言い換えますと

「人を介してやることがない」
「人と一緒にやることがない」

と言う意味になります。

 これが多くの場合「シニアの引き籠り」
という状態を招き、さらにはネグレクト状態に
進んでいき、孤絶・孤立状態に行き着き
自ら外部に向けての発信も出来なくなり
友人知人からは「音信不通、消息不明」扱いにされ
最悪な場合孤独死に至るのです。

 

【現状を自覚することが重要】

 実際には孤独死の前に認知症発症と言うケースがあり
深刻な社会問題にも繋がります。

 誰も望んでこうはなりたくはないはずですが
この軌道に乗り易いのが「当面の生活資金を有して何もすることがない」
いわゆる社会的地位が高く現役時代に十分な貯えを有して退職、
その後これと言ってやりたい事がないというタイプです。

 やりたいことがないけど、ひとり時間も苦にならない
 あえて仕事をせずとも今の貯えで暮らすのに何の問題もない

 まさに外界との接触を持つことに関心が薄く
気が付けば引き籠りの予備軍になる可能性を持ったタイプです。

 何度も書いてきましたがこのパターンに最もなり易いのが
仕事大好き、仕事が趣味といった現役時代バリバリ働いてきた方です。

 人間本当に無趣味と言う方はさほど多くはないと思うのですが、
会社時代はオフタイムには「多数の麻雀仲間・ゴルフ仲間」がいても
その根底には「得意先との交流、職場の同僚との懇親」だけでは
退職して会社と言う扇の要がなくなればいずれは消えてなくなります。

 事実、友人がいないという悩みを相談された方の多くは
上記のように現役時代に友人と思っていた繋がりは
仕事の繋がりや職場の同僚といった枠の中だけのものだったと
口にしました。

 

【終わりに】

 音信が途絶える、最後は認知症発症で終える

 最初の兆候は「無関心、無感動」が始まる事。
社会に、他人に、そして自分に興味を持てなくなることは
大げさに言えば「生きる気力」「人生を楽しむ活力」を
喪うことと同じ意味を持つのではないでしょうか?

 私自身の周囲でも
「最近は土日が来るのが苦しい」
「家に居場所がない」
「長年の趣味だった釣りも何年もやってない」
等の悩みや愚痴を話す旧友が出てきました。

 そのくせ、話を聞いていくと
自ら行動することがないのです。
「誰かが声をかけてくれたら出かけてもいいい」
「誰も声をかけてくれないから土日がつらい」

 なぜに自分から連絡を取り、同期会やOB会の
音頭取りを口にしないのでしょう?
 なぜにとりあえず街に出る等の現状打破を
図ろうとしないのでしょう?

 冷たい言い方ですが、こういう方は
会話が成り立たないケースが目立ちます。

 いつまで経っても昔の会社時代の話しか口にしない
最近の話題について来れない、知識がない
自分のエピソードは話さないが他人のエピソードは聞きたがる

 これでは敬遠され、次回から声がかからなくなっても
身から出た錆、というのは厳し過ぎるでしょうか?

 今や部屋の中で書籍も日用品も手に入ると書きましたが
あえて外に出て店舗に出向く途中に偶然旧友や元の同僚に出くわして
喫茶店で昔話に花を咲かせ、交流が復活した例や
たまたま食品を買い出しに行ったところ店頭で思いがけない品を
発見し、大いに関心を持つこととなり最後は生産地に乗り込んで
見聞を広めることになり、ぶらり散歩が趣味になったという事例は
実際の行動なくしてあり得ません。

 シニア世代ともなれば
体のどこかに古傷や持病があってもおかしくはありません。
ですがそれでもあえて社会との接点を拡げることを続けていけば
結果として人との繋がりやいろいろな情報の更新に役立ちます。

 第二の人生の最終コーナーが生きたまま「幽霊扱い」では
いかにも寂しいとは思いませんか?

 最後まで貴方の存在を周囲に知らしめること、
誰かと繋がっていることは第二の人生に間違いなく色どりを添えてくれます。

この記事の著者

寺田 淳
寺田 淳寺田淳行政書士事務所 代表
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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