【はじめに】日本赤十字社からの通知
今回紹介するのは
自宅に投函されていた日本赤十字社からの案内についてです。
相続させる相手がいない「おひとり様」にとっては
使い方次第では終活に伴う財産整理に活用出来るのではないでしょうか?
その1:物品寄付
添付画像にあるように、受付する物には条件があります。
やはり換金性の高い品が殆どを占めているようですね。
個人的には骨とう品や美術品の類に興味がありました。
個人の趣味、嗜好が反映される品々はどう線引きされるのか?
人形は対象外とありますが、いわゆるソフビの未開封の怪獣や
ウルトラマン等は下手な絵画以上の高評価がつきます。
その手のマニアにすれば、立派な貴重品であり
貴重な骨とう品と言えるでしょう。
ダメ元で尋ねてみてもいいかもしれませんね。
また私の知る範囲での話になりますが、
高齢者の方の中には記念切手を毎回シート毎買い求めたり、
記念硬貨が発行される度に購入されている方が多いです。
小判とまでは行かなくても江戸時代の古銭や
明治以降昭和までの硬貨や紙幣を収集されている方も
意外に多くいらっしゃいました。
換金の意思がなく、相続人もいないおひとり様であれば
下手に遺すと騒動の原因にもなり兼ねないこの手の物品の処分として
寄付を検討するのもいいことと思います。
寄付の対象外の品としてリストアップされている
亡き妻が愛用していた家具や食器類、又は着物等の処分に
困っているという話は少なくありません。
形見分けするような相手がいない、
あるいは夫が妻の友人関係を知らない為に
手が付けられずに放置状態という事例は、
そのまま終活で言うところの「生前整理」全体を阻害する
大きな要因ともなります。
この逆に夫に先立たれた場合、
妻が処分に苦労するのもののひとつに書籍があります。
古書、新刊含めて「本の虫」と称される方は
千冊単位の蔵書を所有されている方が多く、
その中身も玉石混交でその価値の見分けも出来ず、
単純な廃棄には踏み切れない等の理由で
やはり遺品整理全体に支障をきたす場合があるそうです。
この様な場合には、このサービスは諦めて
民間で運営されている寄付や買い取り、あるいは廃品回収の
関係各社に問い合わせるしかないようです。
その2:相続寄付と遺贈
こちらは当事者の死亡後の話となります。
相続寄付は相続人が相続後の財産のうちから
その一部を社会の為に寄付する場合を指します。
この場合、故人が遺言書で相続人に対して
生前お世話になったので相続後の財産の中から
寄付をするようにと遺言しておく場合と、
相続後に相続人の意思で寄付を行うケースがあります。
仮に遺言書作成前に当人が亡くなっても、
生前に相続人との間で寄付に関して合意や了承が得られていれば
問題ありません。
遺贈については、
まずは被相続人が遺言書でその旨を記載しておくことが前提です。
添付資料に書かれてあるような社会に恩返しをしたいという
故人の遺志をより確実に実現するには遺贈が適当でしょう。
どちらの場合でも、
まずは赤十字社と寄付の対象についての確認が必要です。
仮に現金のみとなれば、事前に相続財産の中から物品を換金するか
預貯金の中から提供することになります。
遺贈の場合であれば、双方の了解が大前提ですから
生前に被相続人である当事者が、寄付の対象物を確認し、
それに沿ったものを遺贈する旨を申し入れ、
赤十字社が了解することで遺贈は成立、
その内容を遺言書に記載します。
特におひとり様の場合、
相続人がいないのでつい遺言書の作成はさして重要視しない、
といった方もいらっしゃいますが、遺贈という選択肢を
見逃すのは如何なものかと思われます。
何も遺志を残さないままですと、
最終的にはおひとり様の遺産は、国庫に収まることになります。
少しでも自分の想いで遺産の有効活用を望むのであれば、
寄付や遺贈という選択肢を検討してみては如何でしょうか?
この記事の著者
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東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。
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