貴方はいつ終活を意識しましたか?

【はじめに】

 今の自分の主要業務のひとつに終活の啓蒙があります。
活動の一環で実際に終活を始めた方との話の際に
いつ、どういう理由で終活に着手したのかの聞き取りを
始めました。

 自慢する程多くの事例ではありませんでしたが、
始めるきっかけには人それぞれの背景が垣間見えました。

 

【身内の経験談から】

 概ね聴き取った方々の年代は50代を中心に
40代前半から60代後半までのシニア世代でした。
特にどの年代から顕著になったという傾向はなく
意識するような経験をしたことで、という答えが
大半でした。

 最も多かったのはやはり身内の死に遭遇したことで
終活を意識し、手を付けたようです。

 祖父母が亡くなった後にいろいろな手続きや整理処分などで
自分の親がかなりの負荷を強いられていた姿を目の当たりにして
自分が子供に同様の負担はかけたくないという想いから
終活について勉強し、一部を実行に移したというものです。

 目の当たりにしなかった(別居、遠隔地に居住等)場合でも
後に親から自分の苦労した経験談を聞かされ、
親自身も終活を始めたのでお前も(早く始めたら)と
促されたというケースもありました。

 

【周囲からの影響】

 自分はそう意識していなかったものの
身内からのプレッシャーで半ば強制的に始めたというケースも
相当数ありました。

 配偶者や子供から「あんな苦労をさせないよう備えをしておくように!」
といった要請(強制?命令?)で始めざるを得なかったようです。

 同様に実際に苦労したという友人知人の経験談(苦労談)から
(なかには終活のゴタゴタで離婚寸前にまで至った例)
結果的に「自発的に」着手した例もありました。

 中には家族・親族からの相談や要望に自発的に専門家に相談をし、
その結果終活の重要性に気付き、行動に移した例もありました。

 これが周囲からの影響を最も理想的に受け止めたパターンと
私は考えています。

 

【自分自身の体験から】

 最もしっかりした動機で、準備期間をかけて
計画的な終活を最初から始めたというのは
何と言っても自分自身の危機状況からという事例でした。

 当人が急病、事故等のアクシデントに遭遇し
入院、長期通院等の経験や中には死ぬ寸前だった経験で
自分の現状を顧みて何の情報整理もしていないことに
危機を覚えて取り組んだというものです。

 このケースでほぼ100%該当する点は
その時点まで健康自慢、体力自慢だった方ばかり
という特徴がありました。

 以前にも紹介しましたが、この方々は

「終活の意義は理解してます」に始まり
「でも、私はまだ若い、健康で」だから
「今始める必要性はないのでは?」

 といった根拠希薄な三段論法を口にしました。

 却って持病を持った方ほどいざという時の為に
といった意識を持っており、スムースに終活のスイッチを
入れることに躊躇しないようです。

 最後に、私も該当しますが、
おひとり様になった、もともとおひとり様の方が
シニア世代になったことから終活に目覚めたという例もあります。

 こういう方々も自ら考え始めた方もいれば
周囲で終活なしで亡くなったおひとり様の悲惨な事例を見て
初めて事の重要性を自覚したという例もあり、
行動開始のスイッチを入れるのは人それぞれでした。

 

【終わりに】

 特に健康、体力に自信のある方ほど
備えが不十分という傾向が強く、
何かあった時の影響度は高くなります。

「もっと早くから取り組めば」
「家族の言葉にちゃんと向き合えば」

 こういった悔いを口にしてももはや手遅れ。
終活の中には人に知られたくないジャンルのものも
あります、ですが一人で動けなくなれば
その処理も他人任せにならざるを得ないのです。

 自分が見れば一目で解決する問題も
人づてではなかなか歯がゆいものがあります。

 特に60代以上の方の場合「眼」が重要です。
緑内障、白内障などの発症が増加すると言われ
視力に支障が出れば手足が動き頭は明瞭でも
判別が出来なくなるのです。

 終活どころか日常生活の根本が脅かされます。

 シニア世代の方は自身の健康管理には
人一倍の注意を払う事、これも立派な終活のひとつです。

この記事の著者

寺田 淳
寺田 淳寺田淳行政書士事務所 代表
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。

主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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