【はじめに】
今年も宜しくお願いします。
あっという間に1月も10日を過ぎ、
殆どの方が日常モードに戻りつつある中
この年末年始に感じたことを紹介することから
2025年のブログをスタートさせたいと思います。
【生前整理の実状?】
日頃お世話になっている菩提寺に
年末年始に挨拶に伺った際の事です。
偶然ですが私の終活セミナーを受講された方々と
対面することが続きまして、その際の話で
「どうにも親父が生前整理を始めてくれない。」とか
「生前に聞いていた情報が殆ど間違っていて遺品整理が
まったく進んでいません。」
など等、悩みを口にする60代の子ども世帯が続いたのです。
事情はそれぞれ異なるのですが、主な事例では
1)全く手を付けてくれない、まだ元気と逆切れされた
2)もうそんな気力がない、悪いが全て丸投げさせてくれ
3)このノートに主なことはまとめてあるから大丈夫?
1)は置いておいて、2)のケースは
80代を迎えてようやく重い腰を上げかけた時に、
病気や思わぬ事故に遭遇して体調を崩してしまい
煩雑な情報の整理や収集も億劫になったというものです。
3)のケースは整理はされていたのです、
が、それは10年以上前の情報のままでメンテはされておらず、
その内容は現状とは大きく異なっていた、
全くの思い違いのまま修正されていなかったなど、
何も整理されていない以上に却って手間がかかる代物です。
このブログをご覧になっている50代以上の貴方、
自身の親の情報は整理されて共有されていますか?
あるいはあったとして、何時作成された内容ですか?
毎年の見直しや修正は続けていますか?
【生前では遅すぎる?】
生きているうちに財産目録を用意し、
不要になった家財や田舎の土地や不動産を処分、
友人関係もスリム化して虚礼の手間を省く
口で言うのは簡単ですが
いざ実行するとなると、その負荷は軽くありません。
業務上何件か終活の一環で整理の手伝いをしたことがありますが、
50代の頃でも気力体力をかなり消耗したのです。
これを80代前後から始めて取り組むというのは
想像以上な難行苦行なのです。
シニアの子供世代がまず心配するのが
判断力が正常なうちに情報整理をとなりますが、
当人の判断力が正常であっても整理が進まないケースはあります。
病気でベッドで寝たきりになったものの
判断力は支障なかった方が自宅の書斎にある各種の書類や
貴重品を子供に引き渡そうとしたのですが、
いざとなると保管場所やそこに保管したものの内容が
驚くほど覚えていなかったのです。
何度も「自分の目で書斎を見ることが出来たら
すぐに思い出せる」と言い、自宅へ出向くことを願ったのですが
病状はそれを許さず、結局そのまま亡くなったため、
子どもたちが手分けして家探しして全ての資料を把握出来たのは
3か月後だったという事例もありました。
(遺憾ながら生前口にしていた保管場所も
何件かは全く異なる場所に保管あるいは放置されていたそうです)
こういった例は電話口で場所を説明したり
探し物の場所を口頭で指示するような場合にもよくあることで
結局は「口で言うより自分で動いた方が早い」
という結論に至ったこと、思い当たる方は少なくないでしょう。
頭だけが正常であっても
情報が確実に伝えられる訳ではないのです。
では、「生前整理」はいつやるべきことなのか?
【盛時整理、勢時整理を意識しましょう!】
盛んな時、勢いがある時にこそ
やっかいな調べものや労力を必要とする整理を始めることです。
勝手な造語ですが、「生前」に加えて「盛時・勢時」に
実行することが親子共々後悔しない結果に辿り着けるのです。
無論、ただ若いだけでは意味はありません、
前項で紹介したように何年か毎に内容の洗い直しをすることです。
50代で全てを調べて一覧にまとめた、
これで生涯ひと安心ではないのです。
本来は毎年決まった時期に内容の見直しを図り
僅かな変化でも必ず記録を追加したり修正することを
習慣づけることが大切です。
不動産であれば、
税制改革によって郷里の土地の評価額に
変動が生じていないか?
証券関連なら同様に評価額の変化は逐一
把握しておく必要があります。
預貯金はさらに変動が顕著ですから
口座の解約や集約、残高の推移なども
継続してメンテする必要があります。
保管場所にしても一時的に保管場所を
移動させてそのまま放置という場合もあり得ます。
必ず保管場所の確認も定期的に行いましょう。
少なくとも60代からこういった習慣を身に付けておけば
70代、80代になっても最小限の行動でメンテが可能です。
「面倒くさい」「もう体力がない」というリスク軽減になります。
【終わりに】
冒頭に挙げた親世代の生前整理の問題に遭遇した
60代の子供世代の方が口をそろえて最後に言ったのは
「自分の子には同じ苦労をさせない様、整理を始めてます。」でした。
この記事の著者
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東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。
主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
■フェイスブックページ「50歳からの人生設計相談室」
■ブログ「新・先憂後楽」
■コラム「マイベストプロ東京」
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