
【はじめに】
認知症についてあえて説明の必要はないでしょう。
一般的には高齢になった老親に発症するケースが多く
同居する家族の苦労は広く知られているところです。
ですが、おひとり様の場合は苦労をかける相手すらいません。
その状態で認知症の兆候を感じたらどうすればいいでしょうか?
予防対策があるならば、当然取り組むべきです。
まずは発症の予兆とその原因を知ることから
おひとり様が出来る認知症予防策を考えてみました。
私自身がおひとり様なので
自分の場合を意識して今回のブログを書いてみました。
【認知症の兆候】
最も自覚出来る現象は「物忘れ」が増える事です。
何を忘れていたかを思い出せれば単なるど忘れと言えますが、
忘れたことを忘れているようでは注意が必要です。
何かを取りに行こうと部屋を出た瞬間に
何を取りに行こうとしたかがきれいさっぱり忘れた、
同じ様に書棚で探している本が何だったかを忘れている等
残念ながら高齢化すれば物忘れは増えてきます
仮に70代でもまだまだ現役でバリバリ第一線で活躍しているケースも
無い訳ではありませんが、やはり70代になれば日常生活の中で
物忘れや勘違いが以前と比べてどうかを意識すべきでしょう。
先日あるテレビ番組で認知症の特番がありました。
それによりますと肉体的にも認知症の兆候が予測出来ることが
あるそうです。
ひとつめは「握力」の低下だそうです。
ペットボトルのキャップが開けられなくなった?
一度開けて閉めたビンの蓋を開けられない?
カップ麺などに入っている粉末スープの袋を手で切り開けない?
指先が水や油で濡れている訳でもないのに?
次に「聴力」の衰えだそうです。
隣の人との会話で声が大きいと指摘されたり
テレビやラジオ等のボリュームを自然に上げていたり
こちらの症状は基本的には他者からの指摘があって気付くもので
おひとり様の場合、余程意識していなければ認識出来ません。
そして「瞬間の行動力」の衰えです。
状況の変化に瞬時に対応出来ない、
ブレーキの踏み間違いを修正出来ない。
他にも自分の電話が鳴っていると他人から指摘されても
意味が分かってないようで電話に出ようとしないなど等、
傍から見ていると「フリーズ状態」を起こすことも
要注意な行動だそうです。
【発症の呼び水】
大きく分けて2つの現象が
認知症の呼び水となると私は考えています。
ひとつは「やることが無い、やりたいことが無い」
もうひとつは「毎日同じことを繰り返す」です。
ともに共通しているのは「無欲」かつ「無関心」
といった感情だと考えています。
自ら刺激を欲しない症状が進むことが認知能力の低下を
招いているのではないでしょうか?
前も書きましたが、ドライブが趣味だった方が
家族によって免許返納を強いられた結果、生きがいを失くし
他の趣味を見出す気力も失くし数か月で認知症を発症した例などは
この典型です。
他にも定年退職後自宅にこもりネットサーフィンで一日を過ごす
単調な繰り返しに嵌まっていき、肉体的にも疾病を発症した例も
ここに当てはまるものと考えます。
何もしなければしないで発症
何かをしているものの同じパターンの繰り返しでも発症
おひとり様はこのような状況を気付いてくれる同居人がいません。
無論、積極的に支援してくれる第三者がいるケースもほぼなしです。
外部からのアプローチが無ければ本人が自覚する以外に
この問題に対処することはまず不可能という事になります。
【特に男性のおひとり様は要注意】
私は仕事柄昼間に住宅街を歩くことは少なくないのですが
街中の公園などで見かけるのは圧倒的に女性でその中でも
シニア世代の女性が3~4人のグループでおしゃべりに夢中なシーンが
大半を占めていました。
反面、シニアの男性がグループで雑談と言うシーンには
少なくとも私はお目にかかったことが無いのです。
これも私の個人的見解ですが
男性が会社勤めのサラリーマンだった場合、
日中は会社内、又は得意先回りをしているケースが殆どですから
自宅周辺で過ごすとなれば休日しかないでしょう。
その休日にも接待ゴルフや家族サービスで終日を過ごせば、
近所付き合いは無きに等しく、知り合いを作る機会も無いと言えます。
そういう方がある日退職し、自宅で過ごすとなれば?
子供の関係で地元のサークルでコーチをしていれば別でしょうが
大多数は殆ど地元、近所付き合いは希薄で会社の人脈が全て
と言ったケースに当てはまるはずです。
そういう方が昼間に街中でブラブラしていると
「仕事してない人=無職」と思われたくないといった「見栄」や
「そもそも近所に足を運ぶような場所を知らない」
「知り合いは皆会社時代の仲間で暮らしているエリアが別」
ことから自宅で所在無げに過ごすとしか思えません。
ここでもおひとり様はより深刻です、
先に書いた子供が参加しているサークル活動での出会いも無縁で
かといって自らが積極的にサークルに参加する気も無し。
誘い合って行動をするような地元の知り合いも無しなのです。
会社を離れた後に、文字通り「居場所無し」となるのです。
これに比べて昭和のシニア女性の場合、
その多くは専業主婦として地元で根を張っていることで
近所の人脈はそれなりに築いています。
男性と違って昔の看板に縛られることも少なく
おひとり様の女性でも案外スムースに地元の集まりに
抵抗なく参加することが出来ているようです。
なので「いつもの場所」に出向けば誰か友達に出会える。
といったコミュニティを持っているのです。
ご近所に夫以外の友人知人がいて継続的に交流が出来るのが女性
ご近所に妻以外の知り合いはなく気楽に話せる相手がいないのが男性
特にシニア男性おひとり様の場合は
最低限の話し相手である妻や子もいない訳で
下手をすれば地元に暮らす隣人と言う認識すら
持たれていないケースもあるのです。
自宅でも一人、外出しても一人
まともな日常会話が出来ないような環境で
長く暮らし続ける事で認知症発症のリスクを生じるのです。
【予防策として】
前述したように
「同じ行動パターンの繰り返し」が発症リスクの要因、
であるならば、この点の改善を図ることが重要です。
高齢になれば、より意識して新しい刺激を求める姿勢や
好奇心や関心を周囲に向ける行動を起こすべきです。
その行動を続けることで脳の活性化が図れ、
その結果として認知機能の低下を防ぐことに繋がるのです。
さて、手伝ってくれる家族のいないおひとり様は
具体的にはどのような行動を意識すべきでしょうか?
テレビ番組で紹介された事例としては
社交ダンスがお薦めとされていました。
ダンスの場合、まずステップを覚える必要があり、
一つ覚えたらまた新たなステップをと刺激が長く持続します。
さらに異性のパートナーとダンスをする訳ですから
スキンシップを含めて会話という刺激が発生します。
これも新鮮な刺激となり、より活性化が進むようです。
確かにダンススタジオに出向く際には身支度を整えます。
更に女性との出会いの場ですから髪や髭にも注意を払いますし
衣服もずぼらでは済まないのでいろいろと悩むことにもなり
それもまた脳への刺激となって活性化を図るのでしょう。
ダンスの場合は脳への効果以外にも
体を動かすことで肉体的にもいい刺激となりますから
心身ともに活性化が期待出来ますね。
同様のものとしては
ゴルフやゲートボールと言った屋外球技や
卓球やビリヤード、水泳も適当と思われます。
運動系との連携を考えない場合ならば、
やはり麻雀が脳の活性化にはいいようです。
常に4人で行うことで会話が必須となりますし、
当然ながら勝つために知恵を絞り、過去の経験値を脳内から引き出して
勝負に勝つことに集中することで脳は最大限の刺激を受けるのです。
おまけに指先も終始動かすことでこれだけでも脳に適当な刺激を
与え続けることになる為、麻雀に比べ動きの少ない将棋やチェスよりも
活性化効果が期待出来そうです。
指先を使うことが脳への快適な刺激を生じさせるので
今やアナログの典型ですが算盤や最近は男性も嵌まる編み物等も
細かな指作業ですから取り組んで損はないものと言えるでしょう。
麻雀は4人集まる必要がありますが、これらは一人で好きな時間に
好きなだけやることが出来ます。
更に最新の効果的な運動として「ゲーム」を推奨していました。
それも3Dのシューティングゲームは実際に動き回ったり
常に敵方に対して注意力を持続させる等で効果が期待出来るとありました。
ゲームばかりやっているとバカになると言われたのも今は昔
ゲーム内容によっては心身の健康に貢献?する時代になったようです。
但し、基本はあくまでも複数人での実施という事が重要なのです。
ゲーム全般は麻雀を始めスマホやパソコンでも出来ます。
ですがこの場合は自室に引き籠っても出来る代物です。
これでは冒頭に書いた「同じパターンに終始する日々」
になる恐れが出てきます。
そうなりますと、次第にゲーム自体への関心も薄れ
惰性で繰り返すだけのワンパターン化してしまいます。
これでは認知症への予防策としての効果は期待出来ません。
まずは、ひとりではなく複数人と対面する趣味ならば
自宅から出かけるという行動が伴います。
外出するだけで外界から刺激を受ける機会は増えるので
それだけでも予防効果が期待出来ると思われます。
同じテレビ番組で紹介された予防策として
「デェアルタスク」を推奨していました。
足踏みをしながら一定の歩数の時にだけ拍手をするといった
2つの異なる動作を間違えずに続けることで脳に刺激が加わるそうです。
楽器演奏しつつの歌唱などもこれに該当するでしょうから
一人カラオケでもひと工夫すれば予防策になると思われます。
また食事の面からも意識して摂ることで
一定の予防策があるとのことでした。
あくまでも「諸説あり」で捉えればいいと思いますが
その筆頭に挙げられていたのがブラックコーヒーを一日1杯飲むでした。
またカレーライスも予防食で出来れば週2回以上の摂取を推奨していました。
あと、個人的な策として私が実践していることに
同じ様なおひとり様との連携があります。
Facebookやメール等SNSを毎日更新することで
まずはお互いの生存確認を取り合い、さらに日々の言動に注意し
何か違和感を感じたら即連絡するという仕組みです。
「3日連続で事前連絡なしで更新していない場合」
まずは電話連絡で直接確認を入れる。
「同じ内容の文章や画像を連続して投稿していた場合」
「明らかに日付が間違った記録を投稿していた場合」
これも即連絡の対象としています。
テレビ等では「シェアハウス」で高齢者の気の合う仲間同士が
一緒に生活をすることで孤独にもならず孤独死も避けられるとありました、
ですがいざ実践となると金銭面や理想の物件探し等かなり高い壁です。
それならば少なくともネット上でお互いの監視役を担えば
最悪の事態を少しでも防ぐことに繋がるのではないでしょうか?
【今の仕事は予防効果大?】
外に出向く、人と接する、会話する、行動を共にする…
今の私の業務はこれらが必須となります。
相談業務は初対面の方と会話のやりとりを重ねる、
その中から問題点を把握し解決策を提案する。
業務遂行の為に資料収集や相談者宅への訪問等で
クルマを運転し、目的地まで歩くことも日課であり、
最終的には最適な回答を吟味、選択し、言葉にして伝える。
プライベートでは
学生時代や会社員時代からの友人と
定期的な会合を持つことで刺激を貰えること、
他にも一人酒場放浪で新鮮な出会いや経験も
味わうことが出来る事。
仕事も趣味もまさに認知症発症リスクの低減に
効果的なものばかりではといささか自信を持っています。
性格的にも人との会話が趣味とも言える体質で
ひとりで新規開拓する等のイレギュラーな仕事も
楽しく感じる等は仕事の中で身に付いた後天的な性格と思います。
中には自分の思惑通りに行かずストレスを感じることも
無い訳ではありませんが、その解決がうまくいった際には
より以上の達成感が味わえます。
やはり会社員時代も開業後も
常に人と対面でのやりとりが大前提だったことで
常に新鮮な刺激を受け続けることで出来、その結果
私の脳は現状を維持出来ていると思っています。
思い通りにいかない事、想定外のアクシデントも
それを克服することで結果的には脳にとってはいい刺激になる
イコール脳の老化を押しとどめている。
私はこうポジティブに考えるようにしています。
【終わりに】
では、おひとり様が認知症の発生予防として
積極的に行うべき行動とは何でしょうか?
私の事例を採り上げるのはいささか恥ずかしいですが
まずは「他人との対面でのおしゃべり」です。
会話する為には「外界にでていくこと」
「会話のきっかけになる趣味や関心事を持つこと」
がなければ始まりません。
私のように酒を好むタイプであれば、
ひとりでフラリと居酒屋やバーに出向いて
同じ様な一人客と会話を始める事でしょう。
これ自体が「特別な才能」と言われればそれまでですが、
最近はランチタイムの営業を始めている居酒屋が多いので
まずは「一人ランチ」から始めて店のスタッフと交流を始め
その後に夜の時間帯でのデビューと言うのもいいかもしれません。
仮に下戸であっても
(孤独のグルメのように)食事と会話を目的と割り切れば
気兼ねなく入店出来るはずです。
そこで出会った気の合う方と趣味の話で盛り上がれば
今度は酒の場以外でも交流を始めることが出来る様になり、
そこでまた新たな出会いも期待出来ます。
人によっては自宅で過ごす際に頭の体操や
新聞紙上に掲載されているクロスワードパズル等
手軽にできる作業をすることで脳を刺激しているケースもあり、
これも好きなことで健康維持を図る効果的な対策と言えるでしょう。
最後になりますが、私のイチオシを紹介したいと思います。
それは「毎日日記を自筆で書く」ことです。
単に日記を書くだけではパソコンで打ち込むやり方もありますし
自分のHPがあればその中でブログやコラムとして展開することも出来ますが
一点だけ問題があります。
自分で書かなければ「漢字」を覚えなくなります。
自筆の場合は自分で調べるしか正解に辿り着けませんし
その結果送り仮名も自然に身に付きます。
これがパソコン上での日記ですと漢字変換で一発で解決します
送り仮名も勝手に打ち出してくれます、これでは記憶に残りません。
漢字は読めても書けない、
これでは脳への刺激は微々たるものでしょう。
完全なプライベートな場である自筆日記であれば
好きなことを好きなだけ文字にして感情を吐露出来ます。
日記の中なら喜怒哀楽も自由に表現出来ます。
さらに「ボケ日記」という記録を同時に記載します。
・スマホを持たずに玄関を出た
・会社に着くまで忘れ物に気付けなかった
・予想外の場所に財布やメガネ、スマホを置いていた
・雨上がりで傘をどこかに置き忘れてきた
・目的地に直行のはずなのにいつもの駅で下車した
・買い出しのメニューをメモにしたのに忘れたと思い
いったん帰宅したものの実際にはポケットに入っていた。
・発売予定日を確認したにもかかわらずメモした日付が間違っていた
・ポケットの入れたはずのレシートが無くなっていた
どんな些細な出来事でも、ど忘れ、勘違いと思ったことでも
必ず日記の中で記録しておくことです。
1か月単位でどれだけのボケがあったのか?
同じようなボケが増えていないか?
そのボケを今もしっかり記憶しているか?
周りに誰もいなければ
自分で気付くような仕組みを用意します。
少しでも早期に、初期のうちに認識すれば
それだけ対応の選択肢も多く残されます。
前述したSNS繋がりで仲間とのコミュニケーションをとることも
一種の日記であり備忘録になります。
記録に残るものですし、第三者の証言も加わりますから
後から読み返し、事実確認が可能です。
これによって正しい記憶への修正も可能なはずです。
孤立無援な認知症患者になりたくなければ
自分自身で手間をかけて工夫して対応するしかないのです。
この記事の著者

- 寺田淳行政書士事務所 代表
-
東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。
主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
■フェイスブックページ「50歳からの人生設計相談室」
■ブログ「新・先憂後楽」
■コラム「マイベストプロ東京」
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