【はじめに】
相続の発生で空き家の実家を相続した場合、
どういう点に注意が必要なのか?
特に実家が遠方にある場合、
頻繁に訪問することは難しいはずです。
私の実体験を基に気が付いたことを紹介します。
【水道管の破裂】
私の実家が空き家になって約半年後に実家に向かったところ
郵便受けに水道局からの「緊急・重要」連絡が入ってました。
その場で内容に目を通したところ
水道の消費量に異常値が算出されたので元栓を閉鎖しました。
支給連絡をお願いしますとのことでした。
急いで連絡を取り幸いにも当日の訪問が可能とのことで
午後から地元の水道局のスタッフと共に空き家の実家に入り
室内外の点検を立会いの下で行いました。
その結果、敷地内に引き込む地下の部分からの漏水と
推定され(室内に栓の不備や漏水は無かった為)
持ち主の過失ではないことが確認されました。
不幸中の幸いで、10万以上になる水道料金が情状酌量されて
大幅に減額された料金へ変更がされ、元栓を閉めることで再発を防いだのです。
ただそのせいで現状水道は使用不可で掃除もままならず
トイレもシャワーも使用不可です。
同行してくれた業者の話では築30年を超えたら
地下のパイプの経験劣化からの破損はおかしくありませんとのこと、
我が家は既に50年を経過した堂々の「古民家」でした。
水道管で厄介なのは室内での破損であれば異常に気付けるのですが
地下の水道管ではまず気付くことはありません。
私の実家の場合、半年間の不在の間に漏水が続き、
推定ですが大規模な破損ではなかったことで地表にも異常が見られなかった
ということでした。
また地下の水道管の破損の場合、破損個所の特定の際には
当然ながら掘り起こしをしなくてはいけません。
見積もりだけを欲しいと言っても、ほぼ修理の際の手間賃と
変わらない額は発生しますが、いいでしょうか?
ということも業者から教えてもらいました。
問題はこの家、もう住む予定はなく近々売却相談をと
考えていたという点でした。
今後の家財整理の際も1日がかりになるのは必至で
その時に「水無し状態」では不都合が多々生じます。
そうなると事前に破損個所は修理すべきなのですが、
かなりの作業になるようで10万円台は覚悟とのことでした。
修理となれば修理業者を選定することになりますが
全く心当たりはありません。
立ち会ってくれた水道局スタッフから修理業者のリストを受け取ったものの
当然ですが絶対にここがいいといった推薦・お墨付きはしません。
せいぜい空き家から一番近い業者はここです、といった程度までです。
加えてこの手のトラブル対応を紹介するネット上のサイトには
「必ず、2社以上から見積もりを」と書かれています。
これが、一般人には案外難しいようです。
次の空き家処分の場合でも言えることですが
なかなか見積もりを出して他と比べるという事を
正面切って言い出せないというケースはかなり多いです。
空き家の実家が住まいから遠方にある場合は
特に異常に気付きにくく、今回も水道局も気付いた後に
私への連絡先を知らない為、伝言をポストに投函するのがやっとでした。
全くの幸運で投函されて間もなくの訪問だったため
高額の請求が実際に引き落とされることは避けられましたが
タイミングによっては気付くのが大幅に遅れ、
ある日突然凄い金額の引落を記帳時に初めて知ることになったのです。
私の場合は最大級の水のトラブルだったそうですが
室内ではパッキンの経年劣化や風呂やトイレの水道栓の緩み、
あるいは訪問時に使用後に栓を閉め忘れたり不十分な締め方からの漏水は
少なくないようで、このケースではほぼ「自己管理の不備」「自己責任」
という判断が下されて「高額請求はそのまま徴収」だそうです。
【ガス・電気の処置】
次にガスと電気への対応です。
水道と同じく毎月基本料金が発生します。
私の場合、幸いにも東京近郊の立地なので
暖房の為ガスが必須という事がありません。
水道を止めているので煮炊きも入浴も出来ませんから
ガスに関しては完全に解約としました。
さすがに電気に関しては掃除の際や照明として必須です、
曇天の日には場合によっては日中も照明が必要になります。
これも水道と同じく解約ではなくブレーカーを落とした状態で
現状保留と言うことにしています。
電気の場合、一番懸念したのが「漏電火災」でした。
50年も経過していれば配線自体の劣化もあるはずですが
これも外から見て確認することは難しい案件でした。
事業者に確認したところ、
全てのブレーカーをOFFにしておけば
漏電は起こりませんとのことでしたので
家の出入りの際はその都度ブレーカーの
ON/OFFを繰り返すようにしています。
電気、ガス、水道の他にも
仮に実家で固定電話やインターネット契約等
毎月発生する「通信費」等があれば
早急な解約手続きをする必要もあります。
【その他】
私の実家は戸建てなので庭には目隠しの意味も込めて
多くの庭木が植えられています。
これも長い間放置しておけば隣家にまで枝を伸ばす、
落ち葉をまき散らす等の「迷惑」をかけることになります。
当然庭には雑草も生い茂り、荒廃した印象を与えます。
ここに郵便受けにチラシ等も放置されたままであれば?
空き家であることは一目瞭然です。
不法侵入や盗難、破壊等の
さらなるリスク要因になり兼ねません。
この為、定期的に訪問し
郵便受けを整理し、伸び切った枝を切り落とし
庭には除草剤を散布する等の手間が続いています。
当然ながら往復の交通費や燃料代、
さらには肉体労働による疲労も重なります。
今のところ実家では発生していませんが
鳥害、虫害も想定する必要があります。
都会のエリアであっても油断は禁物です。
野鳥が雨戸の戸袋内に巣を作り棲家にしていた
スズメバチの巣が軒下、天井裏で発見された
この手の問題も近所に多大な迷惑をかける案件です。
男児の甲斐性と言われていた「戸建ての持ち家」
今やただただ持て余すだけの存在と化してしまいました。
【空き家の処分】
住まないと決めた空き家の処分には
売却する、
リフォームする
賃貸物件にする
又は解体して更地にするなど等…
いろいろな選択肢がありますが、
ここでも当然ながら自治体に相談しても
この方法がお薦めといったアドバイスは期待出来ません。
売却なら地元を始め不動産業者を探しますし
リフォームならリフォーム業者を
賃貸なら専門の業者を
解体だけなら解体業者を
自分の目的に適した業者を自ら探して、
出来れば複数の会社で相みつをとっての交渉となります。
水道管の時以上に大規模な話です、
さらに家財処分が絡んでくれば費用面もシビアに
算出しなくてはいけません。
可能であれば、ここも事前の下準備をすることが
後々の負担を軽減することに繋がります。
仮に自分たちは遠方で居住していて
将来にわたって空き家に住む気はなし、
なのでリフォームも不要で、賃貸物件にする気も無ければ
売却か更地化で土地だけを売却かの二択になります。
空き家のまま放置していれば、
無駄な固定資産税は延々と払い続けることになりますし
先に採り上げた電気、ガス、水道等の基本料も毎月発生します。
公共インフラの解約のタイミングも考えなくてはいけません。
時間が経てば経つほど家屋の劣化や破損は進み
売却の条件はどんどん低下することになりますから
タイムリミットを常に意識しなくてはいけません。
早く処分したいとなれば、相手方の不動産業者の方に
アドバンテージが発生することになり、一社のみとの交渉で
早々に手を打ってしまう事にもなり兼ねません。
となれば、まだ親なり自分たちが居住している時点で
不動産売買に信用ある最寄りの不動産業者を調べるという行動を
起こしておいて損はないはずです。
時間に余裕があるので複数の会社から相みつをとって
じっくり比較検討する時間も十分な余裕があります。
少なくとも、自分の代になった時の実家の扱いについて
ある程度決めておく事は後になって必ず役立つと思います。
【終わりに】
期限が想定されるような相続関係の手続きの場合、
まずは生前に出来ることは何かを考え、出来ることは
積極的に始めるという事は全てにおいて当て嵌まる事です。
ここでは空き家について紹介していますが
住居以外でも郷里の畑や山林、宅地と言った
自分たちにとっては使い道のない不動産がある場合も
同様ですし、お墓の処分についても同様な問題が発生する
可能性があります。
その時が来た時に、迷うことなく即行動に移れるような
準備、出来る時に済ませておきたいものですね。
この記事の著者

- 寺田淳行政書士事務所 代表
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東京は新橋駅前で「寺田淳行政書士事務所」を開業しています。
本業では終活に関連する業務(相続、遺言、改葬、後見、空家問題等)を中心とした相談業務に従事し、さらにサラリーマンからの転身という前歴を活かした起業・独立支援に関する支援業務やセミナー講演等を開催して、同世代の第二の人生、第二の仕事のサポートも行っています。
主に以下のSNSで各種情報を随時発信しています。
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■コラム「マイベストプロ東京」
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